Snow Manは支え合う職人集団 久々のYouTube生配信や2人不在のパフォーマンスから感じたこと
メンバー同士の支え合いは、この生配信が行われた前日の7月11日に放送された音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)でも感じられた。Snow Manは同番組で「オレンジkiss」をフルサイズテレビ初披露することが決まっていた。同曲が主題歌となっている映画『モエカレはオレンジ色』で主演を務める岩本が振り向き、出だしのパートを歌うところから始まるパート割りをラウール、向井、目黒の3人でカバー。SNSでは「弟組が歌ってくれている」という声が聞こえ、その後もメンバーたちが交代で不在の2人の歌割りパートをつないでいくと「ひーくんのパート」「さっくんのパート」という言葉が多く呟かれ、盛り上がりをみせた。当然ダンスのフォーメーションも変わるが、少ない時間ながら変わらぬクオリティで、むしろキラキラとした笑顔でそれぞれパフォーマンスをつとめあげ、まさに「支え合う職人集団」という印象を受けた。中でも、深澤の表情豊かなパフォーマンスは印象的で、頼れる最年長の存在感を発揮していた。また、佐久間のパートをカバーしていた渡辺が一部の歌詞を飛ばしてしまい「ラララ」で補うと、後ろから登場するラウールを中心に微笑むメンバーたち。生ならではの愛おしいハプニングとその一生懸命な姿勢に、「オレンジkiss」の歌詞のように〈どうか 支えさせて〉と思わさせられた瞬間だったのではないだろうか。2人足りない寂しさを、今7人が揃っているという奇跡が補完してくれたように思えるパフォーマンスだった。
そして迎えた12日の生配信でのパフォーマンスでは、前日の緊張感は全くと言っていいほど感じられず、それぞれがのびのびとパフォーマンスを楽しんでいた。アドリブを交えたり、不在のメンバーのものまねを交えたり、渡辺が歌詞を飛ばしてしまった部分ではその歌詞を書いた小さなカンペを持ったラウールが登場したり、カメラに抜かれた目黒が舌ペロを披露するなどでファンを楽しませた。さらにカップリング曲「Wonderful! × Surprise!」(モスバーガー新CM『おいしい撮り方』篇)パフォーマンスも披露した。しかし、キャラクターや個性が一人ひとり強いSnow Manだからこそ、いい意味で「穴が埋まる」ことはなく、7人でこの完成度なのだから、9人揃ったらもっとすごいのだという気迫を感じ、より「完全体」への期待が高まった。
Snow Manはここ数年、グループ単位での活動が印象深かった。『GINGER 8月号』(幻冬舎)において、渡辺翔太が“この夏にキャッチコピーをつけるなら?”という質問で「個人活動の夏」と答えていたが、映画、ミュージカル、バラエティ、さらには選挙特番、パリ・コレクションに至るまで個人の活動の幅を広げつつも、全員が「グループにとって何ができるか」と共通して考えてきたからこそ久しぶりに集合した時、7人だったとしてもそのパワーをフル稼働することができたのではないかと感じた。
とはいえ7月13日、ついに『オレンジkiss』がリリースされ手に取れば「9人のSnow Man」が持つ、そのパワーに圧倒されることだろう。メンバーもファンも前に進みながらも温かく2人の復帰を待つ今の、この空気感も心地よく、やさしい空気感を作り出す面でも、彼らは職人集団なのだ。