Dream Shizuka、変わらず“夢”を追い続ける姿勢 活動20周年記念したメモリアルなソロライブ

Dream Shizuka、20周年ライブレポ

 2022年7月7日、Dream Shizukaが『#myplaylist_Live~Dream 20th Anniversary~』をビルボードライブ横浜にて行った。

 遡ること20年、2002年7月7日にdreamに加入したShizuka。それ以降、Dreamでの活動と並行してE-girlsとしても一世を風靡し、EXILE ÜSA、EXILE TETSUYAとともにDANCE EARTH PARTYとしての活動も行うなど、活躍の場を広げてきた。2017年にE-girlを離れ、翌年からE.G.familyの一員としてDreamの名を背負いソロ活動に専念することを発表すると、それから今に至るまでアルバムやシングルのリリース、舞台出演などでソロ活動を行っている。

 しかし、2020年以降のパンデミックの影響もあって、彼女がソロアーティストとしてステージに立つ機会はほとんどなかった。Dreamとしての活動20周年を迎えた記念日当日であるこの日は、そんなファン待望のソロステージでもあった。本稿では2nd公演をレポートする。

 これまでの軌跡を追うように幅広い時期の楽曲を披露したこの日、「かなしみから始まる物語」「Paper Dream」とソロ曲を2曲続け、彼女の現在地を見せるようにして開幕した。キーボードの音色とウィンドチャイムが荘厳かつ美しいイントロを飾った前者では、落ち着いたトーンでネガティブな感情も肯定するように歌い、20周年の重みを感じさせる説得力を発揮する。後者では一転してクラップを求め、サポートバンドとともにエネルギッシュでありながらも落ち着きを感じるパフォーマンスで現在の彼女を炙り出していく。

 立て続けに披露したDream時代の楽曲「ダーリン」「こんなにも」は、グランドピアノとカホン、パーカッション、アコースティックギターという編成でのアレンジで披露。Dream時代のラブソングがしっとりとした楽曲に生まれ変わったのも、20年という彼女のキャリアがもたらした成長を感じさせる。Shizukaのハスキーな歌声が、アコースティック編成による温かみのあるサウンドに溶け込み、澄んだファルセットで可憐な恋心を表現。同じくラブソングで、ライブでしか披露していないというソロ曲「YURALI」では揺れ動く恋心を歌いあげる。ドラムパッドを使ったタイトな音像、ふくよかなパーカッションやピアノの音色が混ざり合うこの楽曲は、3曲並んだラブソングの中でも一番都会的な情景を想起させ、彼女の悠然とした落ち着きや大人の心をよく表現した。アコースティックでじっくりと聴かせたDream時代の楽曲、それと比べても大人な魅力漂うソロ曲。石田まり、notch、伊平友樹と長きにわたってLDHのサウンドを支え続けるベテランのバンドメンバーによる豊潤な音色も相まって、20周年にふさわしいふくよかな雰囲気を作り上げる。

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの「東京」をカバーした後に披露した「希望の光 ~奇跡を信じて~」は、DreamがLDHに移籍してから、結果が思うようについてこないことでメンバーの心が折れそうな時期にEXILE ATSUSHIがプレゼントしてくれたという楽曲だ。やるせなさの中に希望を見出し、前向きに歩こうとする歌詞は、今のShizukaが歌うことでDream時代を振り返り肯定しているようにも聴くことができ、それを経て辿り着いたShizukaの今を写し取るようでもある。「聴くにも歌うにも勇気がいる曲」と言いながらも「みなさんも独りぼっちに感じることがあると思うけど、周りに手を差し伸べてくれる友達や家族がいることを忘れないでほしいですし、私たちの存在を思い出してほしい」と語った。大切な1曲として歌われたこの曲からは、自身が思うようにいかない時期から時間が経ったからこそ、次は彼女がリスナーに手を差し伸べる番だという強さが伺えた。

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