新しい地図、CM出演のオファーが絶えない理由とは? イメージとのギャップから生まれる説得力
確立されたパーソナルイメージと新しい顔
例えば稲垣の場合、かねてよりワイン好きであることが周知の事実になっている。そのこだわりは、自らディレクションするレストラン『BISTRO J_O』でも自身がセレクトしたワインを提供しているほど。さらに、いつか自分でもワイナリーを持ちたいという夢も度々話している。
そんなワイン通で知られる稲垣が、ワインではなくノンアルコールワインテイスト飲料のCMに出るというのも面白い。「ワイン好きが認める」などとわざわざ言葉にしなくても、稲垣が満足気に味わう姿で十分に伝わるというもの。クールでミステリアスなイメージを持ちながらも、実は人間味あふれる部分もある稲垣。気楽にノンアルを楽しむ日があってもいいではないか、という商品イメージとリンクしている。
同様に草なぎの持つストイックで努力家な顔と少年のような自由な姿、香取のパーフェクトビジネスアイドルであり職人気質なクリエイターである一面と……そんな長年かけて培われたイメージとふとしたところで見せるギャップが、説得力を生みつつ親しみも感じられるCMになっているのだと感じる。
加えて、2017年以前はインターネットに対して慎重な姿勢を見せてきた彼らが、新しい地図を広げると同時に“世界初のSNSバラエティ”をテーマに『ななにー』をスタート。共にSNSを次々と解禁してきたことも、旧スタイルに固執せず柔軟に進化していく新しい顔として、今に続く彼らの強みとなった。それゆえにフリマアプリの『メルカリ』やネットショップサービスの『BASE』など、新サービスのCMキャラクターに起用されることが多くなったように思う。
国民的アイドルとして広く知られていることに加えて、その安定した活動からにじみ出る安心感。そして、新たな時代の流れにも馴染んでいくしなやかさ。そんな彼らが放つポジティブな姿を求める声は、これからも増えていくに違いない。2022年の下半期も、3人を多くのCMで見かけることを楽しみにしている。
※1:https://mdata.tv/info/20220706_01/