観月ありさ、『Ali30』でリンクする過去と今の自分 新しい音楽で表現した、これからの“観月ありさらしさ”

観月ありさが表現したこれからの“らしさ”

これからの観月ありさを自分の中で認識できた

ーー新しさで言うと「SUNAO」は、今までになかったソウルバラードで。

観月:色々な楽曲を歌ってきた中で、その時々のヒットソングの歌い方があって。主軸となるボーカルの形は自分の中にあるんだけど、時代ごとに歌い方を変えているんです。今回歌う曲は今までの私らしさを残しながら、新しさも感じてもらうことを大事にしました。「SUNAO」はこれまで通りの歌い方だと、楽曲とボーカルがしっくりこなかったんです。今のグルーヴの出し方が、圧倒的に私たちの頃と違うんですよね。滑舌もそうだし、歌詞の発し方も違う。自分の中でも苦戦しましたし、今っぽい歌い方やグルーヴの出し方の勉強にもなった1曲です。レコーディングで一番こだわったのが「SUNAO」でしたね。

ーー間の取り方や声の伸ばし方など、すごく気を使われたのかなと。

観月:スローバラードだからこそ、歌い方がすごく難しくて。間が多い分、歌詞と歌詞の間をどう繋げてグルーヴを出していくかが、本当に難しかったです。この曲は時間をかけて納得いくまで録音させてもらいましたね。

ーーボーカルの艶っぽさが素敵なんですよ。

観月:逆に、今の年齢で歌えて良かったと思うんです。過去の作品でも、割とメロウな楽曲を歌ってはいるんですけど、そのときの私ってやっぱり歌い方も声も若くて。今聴くと、色々と自分の中で思うところがあるんですよね。若くて勢いがあるのは良いんだけど、声の深みがまだ培えてなかったりとか。歌い方も「もうちょっと変化球はなかった?」と自分で自分にツッコミを入れたくなる(笑)。だからこそ「SUNAO」を始め、今の年齢で歌えて良かったと思う楽曲が今回は多いです。

ーー逆に、これまでの観月さんらしさを感じる楽曲で言うと、「mint leaf」もそうですし「Someday」もそう思いました。「エデンの都市」「今年いちばん風の強い午後」を歌っていた90年代初期の楽曲っぽいなと。

観月:まさにそのあたりを意識していたんですよ。昭和レトロって結構あるけど、平成レトロを表現している人があまりいない。だからこそ、私がデビューした平成初期特有のレトロな感じと今っぽさを、うまく融合させたかったんですね。それは「mint leaf」もそうですし、「Someday」も平成の懐かしさを感じてもらえるようにしたかったんです。

ーーあとはサウンドだけでなく、アルバムの構成にもこだわりを感じました。

観月:曲順はかなり吟味しました。特に「サジタリウス」と「TOO SHY SHY BOY! (TK SONG MAFIA MIX)」の入れる位置が難しくて。1曲目に入れようとも思ったんですけど、ちょっと強すぎるかなって。ずっとアップテンポだと飽きちゃうし、スローテンポが続きすぎるとまったりしちゃうし、曲の並びのバランスはすごく考えましたね。

ーー「あきりたりなキセキ」から「mint leaf」の繋ぎ方が絶妙ですよね。

観月:ちょっと流れが急過ぎちゃうかなと思ったりもしたんですけど、意外とハマりが良いし、曲調が変わった感じもすごくあって良いんですよね。時間をかけて考えた甲斐があり、すごくバランスの良い曲順になりました。

ーー最近はストリーミングで音楽を聴く方が多いので、アルバムを出しても曲単体で聴かれてしまいがちです。ただ『Ali30』に関しては「prologue」と「epilogue」があるように、1曲目から順番に聴くことに意味がある作品といいますか。

観月:そう、だからシャッフルしないでほしい(笑)。CDを作るのって、そういう醍醐味もあるじゃないですか。アルバムに関わらずライブもそうですけど、全体の流れは大事にしていますね。唐突感があっても嫌ですし、ある程度変わった感じがないと聴く方も飽きてしまう。なので曲順は相当こだわったポイントです。

ーーこれまで数々の作品をリリースされてきた中で、今作は観月さんにとってどんな1枚になりましたか?

観月:長い歴史の中で色んな楽曲を歌わせてもらってきて、たくさんのアーティストの方たちとタッグを組ませてもらいました。『Ali30』は30周年を迎え、改めてアーティスト・観月ありさが表現したいことを考えた1枚でした。“観月ありさらしさってどういうことだろう?”とか、それでいて“どんな楽曲が好きなんだろう?”とか。それはジャンルとかそういうことではなくて、“これは私が歌ってそう”、“私の声に合いそう”とか、そういう感覚で今まで楽曲をチョイスしてきたんだなと再確認できたんですよね。

ーー自分自身を見つめ直した作品であると。

観月:はい。歩んできた歴史を振り返りながら、アップデートもしつつ、これからの観月ありさを自分の中で認識できた作品になりました。奇をてらって新しいことをするのではなくて、今までの観月ありさを大切にしながら、これからに向けての新鮮味も表現できたと思います。

■リリース情報
観月ありさ
Debut 30th Anniversary Album『Ali30』
2022年6月15日(水)発売

[CD+Blu-ray] AVCT-10207/B ¥4,400(税込)
[CD Only] AVCT-10208 ¥3,300(税込)

<収録曲>
01. prologue
02. Always Alright
03. Goodbye My Lonely
04. SUNAO
05. Nobody else
06. ありきたりなキセキ
07. mint leaf
08. Psychedelic
09. Umbrella
10. THIS LOVE
11. Someday
12. サジタリウス(※TBS系テレビ『ひるおび!』6月度エンディングテーマ)
13. epilogue
【Bonus Track】
14. mint leaf (Seiho Remix)
15. TOO SHY SHY BOY! (TK SONG MAFIA MIX)

<Blu-ray>
01. サジタリウス -Music Video-
02. サジタリウス -Music Video Behind The Scenes-
03. TOO SHY SHY BOY! (TK SONG MAFIA MIX) -Music Video-
04. TOO SHY SHY BOY! (TK SONG MAFIA MIX) -Music Video Behind The Scenes-

■関連リンク
観月ありさ公式サイト:https://www.rising-pro.jp/artist/alisa/
Instagram:https://www.instagram.com/alisa_mizuki/
観月ありさオフィシャルブログ:https://ameblo.jp/alisa-mizuki/

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