モーニング娘。'22森戸知沙希&加賀楓&横山玲奈
モーニング娘。'22 森戸知沙希、卒業直前インタビュー 加賀楓&横山玲奈と振り返る“人との関わり”から得た成長の日々
モーニング娘。'22の森戸知沙希が、6月20日に東京・日本武道館で行われる単独コンサート『モーニング娘。'22 CONCERT TOUR ~Never Been Better!~ 森戸知沙希卒業スペシャル』をもってグループおよびハロー!プロジェクトを卒業する。
2015年にカントリー・ガールズのメンバーとしてメジャーデビューを果たした森戸は、2017年にモーニング娘。'17との兼任をスタート。2019年にはカントリー・ガールズ卒業にともないモーニング娘。専任となり、今年2月に海外への語学留学を理由に卒業を発表した。この約7年半にわたる活動を通じ、果たして森戸は何を思い、何を感じ、何を得てきたのか。そして卒業を間近に控えた彼女が見据える将来像とは?
リアルサウンドでは森戸本人に加え、彼女と普段から仲がいいという加賀楓、横山玲奈の計3名にインタビュー。森戸のこれまでの活動を、主観・客観それぞれの目線で振り返ってもらった。(ナカニシキュウ)
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ようやく準備が整った
──改めてになりますが、森戸さんが卒業を決めた経緯を教えてください。公式発表には「留学のため」とありましたが……。
森戸知沙希(以下、森戸):そうですね、英語を学びたいなと思っていて。その最初のきっかけは、2018年にモーニング娘。'18で行ったメキシコシティとニューヨークでのライブでした。私はそれまで海外に行ったことがなかったので、お客さんの反応にすごくびっくりしたんですよ。私たちが何かひと言発しただけで、悲鳴のようなリアクションが返ってきて(笑)。みんなで叫ぶんです。
横山玲奈(以下、横山):うんうん(笑)。
森戸:もちろん日本のお客さんの応援も、いつもうれしく思っていることに変わりはないんですけど……。
──どちらがいい悪いではなく、単に種類が違うという感じですよね。
森戸:はい。そこで海外のお客さんに対して、「こんなにも一生懸命に思いを伝えてくれているのに、『Thank You』という言葉でしか感謝を伝えられないのは申し訳ないな」と思って。それで「英語を学んで、もっといろんな言い方で気持ちを伝えられるようになりたい」と考えたのが最初です。
──なるほど。
森戸:それから2年くらい経ってもその気持ちは全然変わらず、その頃から「いつか留学をしてみたいな」という思いも生まれ始めて。ただコロナ禍に入ってしまったこともあって、なかなか行けなくなってしまったんです。それが今年になってようやくもろもろの準備が整った、という感じですね。
──ということは、留学の目的は主に語学なんですね。ダンスとかではなく。
森戸:そうです。でもダンスは好きなので、もしかしたらいつかやるかもしれないですけど、今のところまだその予定はないです。
すぐに会えないような場所に行ってしまうのは素直に寂しい
──加賀さんと横山さんが森戸さんの卒業を知ったのは、どのタイミングだったんですか?
横山:けっこう最近で……。
加賀楓(以下、加賀):2月末とか?
──公式発表とさほど変わらないタイミングですね。
加賀:そうですね。実はそのとき、そこまですごく驚きはしなかったんです。コロナ禍で単独ツアーがなかなかできなかったのが今年やっとできるようになったり、昨年末には佐藤優樹さんも卒業されたりと、いろいろ環境の変化があったので、「このタイミングで誰かしらが卒業する、みたいなことは十分あり得るんじゃないか」とはなんとなく思っていて。それが森戸さんだとまでは思っていなかったですけど。だからある意味想定内ではありつつ、気持ちとしてはやっぱり「寂しいな」とは思いましたね。
横山:私は、コロナ禍に入ってからなかなかメンバーにも会えなくなって、ごはんとかにも行けなくなっちゃったりしていたので、それがだんだん状況が変わってきて「そろそろまた遊びに行けるようになるかな?」と思っていた矢先のことだったから、「え! 海外まで行くの? 遠くない!?」みたいな(笑)。
森戸・加賀:あはははは(笑)。
横山:森戸さんとは加入時期が半年くらいしか違わなかったこともあって、すごく近い存在だったので。2人でのお仕事とかもけっこうありましたし。だから、「ちょっと会いたい」と思ってもすぐには会えないような場所に行ってしまうのは、素直に寂しいですね。卒業を知ったときは、その気持ちが最初に来ました。
──森戸さんは、卒業についてメンバーに相談などはしなかったんですか?
森戸:どうだろう……とくに誰にも相談はしなかった気がします。「留学がしたい」という自分の新しい目標、次にやりたいことができたから、それが今だったというだけですね。
加賀:これまでにも、誰かに相談して卒業を決めたメンバーというのはあまりいなかったんじゃないかと思います。だいたい急にポンと言われることが多い。もちろん、私が知らないだけで実はいたのかもしれないですけど。
──たしかにモーニング娘。をはじめハロー!プロジェクトには“自分”を強く持っているメンバーが多いイメージがありますし、相談するまでもなく決められるんですね。むしろ相談することで決意が揺らいでしまうのを避ける傾向もあるのかもしれません。
加賀:そうかもしれないですね。
──留学期間はおよそ1年半の予定だそうですね。帰国後はまたこちらで芸能活動をされると聞いていますが。
森戸:そうです。……たぶん(笑)。
加賀:そこはまだ「予定」ということで(笑)。
──ぼんやりでいいんですけど、「留学を経てこんな人になりたい」というのは現時点でどのように考えていますか?
森戸:活動の形はまだ決めてはいないんですけど、せっかく勉強しに行くので、英語を使う仕事ができたらいいなと思います。それと、今の自分に本当に自信がないので、海外に行って自信をつけて帰ってきたいなって。
横山:大事なことだ。森戸さんはすごく真面目で勉強熱心なので、きっと英語ペラペラになって帰ってくるんだろうなぁ。
森戸:またそういうことを言う(笑)。
──モーニング娘。卒業から留学を経て、仮に帰国後に歌手活動をするんだとしたら、その過程だけを見ると完全に“鞘師里保ルート”ですよね。
森戸:たしかに(笑)。とくに意識してはいないんですけど、もちろん鞘師さんを見て「カッコいいな」とは思っていました。新しい場所へ行って自分の武器をさらに磨いて帰ってきて、またみんなの前に立つというのは本当にカッコいいです。刺激はすごく受けましたね。
森戸のイメージが一変した“チーズくっせえ”事件
──では、これまでの活動についても聞かせてください。カントリー・ガールズからモーニング娘。への移籍が決まったとき、率直にどんな思いがありました?
森戸:あのときは、ただただびっくりしていましたね。それ以外の感情が追いついてこなかったというか。入ってしばらく経ってから「モーニング娘。に入れて幸せだな」と思えるようにはなっていったんですけど。
横山:私、「カントリー・ガールズから3人のメンバーが他グループに移籍します」とだけ聞いていたときから、「森戸さんはモーニング娘。に来る」と確信していたんですよ。
森戸:なんで知ってるの(笑)。
横山:知らなかったんですけど、たぶんそうだろうなと思って。
加賀:私も「森戸さんだろうな」と予想はしていました。
森戸:えぇー、すごい。
加賀:ふなっき(船木結)にしてもアンジュルム以外考えられなかったし、やなみん(梁川奈々美)もJuice=Juice以外ないだろうなって。
横山:なんか、そういう感じはあったよね。けっこうきれいに分かれたというか、ぴったりだった。全員すぐに馴染んでいた印象があります。
──そうして加入した森戸さんと一緒に活動してきた中で、とくに印象に残っているエピソードを教えてください。
加賀:やっぱり、筆頭は“チーズくっせえ事件”ですね。
横山:あはははは! 懐かしい(笑)。あれはみんな覚えてるよね。
森戸:その話はヤバいって(笑)。
加賀:入ってきた当初の森戸さんは、「人見知りでおとなしい、かわいらしい人」という印象だったんです。すぐに顔を真っ赤にしちゃうような。それがあるとき、楽屋で牧野(真莉愛)さんがお弁当に粉チーズをたくさん盛り付けて食べていたんですね。そこに森戸さんが入ってきて、楽屋にずっといた私たちは気づいていなかったんですけど、室内に充満したチーズの香りを感じた森戸さんが「チーズくっせえ!」って絶叫しながら倒れ込んでいったんです(笑)。
一同:あはははは(笑)!
加賀:「あの森戸さんが、そんな言葉遣いを!?」っていう衝撃がすごくて、すっごく笑ったんですよ(笑)。そこから私の中で、森戸さんの印象がどんどん変わっていきましたね。
──ご本人としては、「そのくらいのタイミングから自分を出せるようになった」みたいな感覚だったりするんですか?
森戸:うっかり素が出ちゃっただけです(笑)。
横山:それくらい、本当に臭かったんです(笑)。
森戸:牧野さんはチーズが大好きで、信じられないくらいの量をかけるんです(笑)。そのあまりの衝撃に、つい出ちゃった言葉ですね。
横山:あと私が印象に残っているのは、森戸さんがラジオで私について話してくれたことですね。まだ私がモーニング娘。に加入したばかりで、森戸さんもカントリー・ガールズにいたときです。当時のハロー!プロジェクトでは生配信をすることがけっこうあったんですけど、そこでたまたま森戸さんと一緒になったことがあって。その頃は私もまだこんな感じじゃなかったので(笑)、アイドルらしくおとなしく“きゅるりん♡”ってしていたんですけど。
森戸:猫かぶってたよね(笑)。
横山:後日、森戸さんがラジオでそのときのことを「自分は人見知りだけど、横山ちゃんは隣にいても大丈夫だった」みたいに言ってくださっていて、それが私はすごくうれしくて。 めっちゃ何回も聴いたんです、そのラジオ。
森戸・加賀:あはははは!
森戸:まず、私の「隣にいても大丈夫だった」って発言がびっくりだよ。
横山:(笑)。
森戸:でも実際、よこ(横山)はフレンドリーで話しかけやすい雰囲気があるし、先輩後輩関係なくスッと入っていけるところが長所だなとは当時から感じていましたね。
──そういう存在がいてくれたことで、モーニング娘。に入っていきやすかった部分はあります?
森戸:最初から話しやすいメンバーの1人だったのは間違いないですね。モーニング娘。として最初に回ったツアーでは慣れないことばかりで緊張しっぱなしだったんですけど、その中でもよことはけっこうしゃべっていた気がします。