INI 許豊凡&尾崎匠海の成長に注目 磨きのかかるオールマイティぶりと強みをのばして光る個性

 一方の尾崎も、『PRODUCE 101JAPAN SEASON2』中、オールマイティさが印象的だった。歌もダンスも卒なくこなしていただけでなく、トレーナーを務めた仲宗根梨乃とのセッションを経てセンターでパフォーマンスできる魅力も兼ね備えたのだ。そんな彼は、持ち前のオールマイティさに磨きがかかってきている。パフォーマンス面で言えば、歌とダンスは言わずもがな表情管理も完璧だ。2ndシングル活動曲「CALL 119」ではやや挑戦的かつ色気のある表情、爽やかな「We Are」では晴れやかな清々しい表情という真逆の顔を見せている。さらに言えば、1曲の中でもパートやシチュエーションごとに自分が一番魅力的に見える表情を押さえているのだ。

INI|DILEMMA Performance Video

 2ndシングル収録曲「DILEMMA」を例に取ってみると、基本的に楽曲の雰囲気に合った強く真剣な眼差しをしているのだが、〈So so so danger 光を飲み込んだ Blackhole〉で一瞬挑発的に笑みを浮かべてもいる。これも彼の高いアイドル性があってこそだ。かと思えばトークではイジられキャラになったり、キメ台詞を言う場面ではクリティカルヒットを連発したり。オールマイティさを証明するエピソードは挙げればキリがない。

 振り返ってみると、許も尾崎も多才であるがゆえにデビュー当初はともに「オールマイティ」と言われることが少なくなかった。しかし、今ではそれぞれの武器を磨いて個性を強めてきている。しかも、どの分野でも資質を持っているからこそ計算して強みをのばすということもできるだろう。INIは11人という大所帯グループ。彼らのように器用さがあることは自分をアピールする上でも大切になってくるはずだ。ここから1年後、2人はどんなアーティストへと成長しているのだろうか。今から楽しみでならない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる