乃木坂46 金川紗耶、和田まあや、掛橋沙耶香……地方開拓で注目集めるメンバー
乃木坂46が7月から毎夏恒例となる『真夏の全国ツアー2022』を開催する。全国7都市15公演にて行われる今年のツアー。グループにとっての聖地であり、3年ぶりのライブ開催となる明治神宮野球場でのツアーファイナルが注目されがちだが、ツアー2カ所目の広島は『真夏の全国ツアー』としては2015年以来7年ぶり、北海道に至っては『真夏の全国ツアー』初開催の2013年以来9年ぶりという、11年目を迎えた乃木坂46にとっての言わば“開拓”のツアーでもあるだろう。
2016年の初め、乃木坂46合同会社代表の今野義雄氏はインタビュー(※1)の中で、乃木坂46の問題点を東京に比重が高い首都圏アイドルであると答えていた。「首都圏においてはものすごく強いけれど、地方ではまだまだ知られてないし、存在感がそんなに伝わってない。ここをどうやって開拓していくかがグループ全体のテーマ」だと。今野氏が同インタビューで予告しているように、ファンを獲得するというミッションはアンダーメンバーへと託され、2016年より各地方を細かく巡っていく全国ツアーがスタートしている。この東北シリーズで山形公演を観に行ったのがきっかけとなり乃木坂46のオーディションに応募したのが、現在の久保史緒里である。
Zeppからスタートした『真夏の全国ツアー』はホール、アリーナ、ドーム、スタジアム規模へと成長していくが、厳しい目で見れば東京、大阪、愛知、福岡といった主要都市での開催にとどまってしまっている側面もあった。今回、2017年に訪れている新潟という選択肢もあったはずだが、なぜ北海道と広島での久々の開催に決まったのだろうか。それは、金川紗耶と和田まあやという出身メンバーがいることが一つ理由として大きいはずだ。
乃木坂46メンバーは、半数以上が関東圏出身であり、エリアごとに見れば『真夏の全国ツアー』で回る都市でほぼカバーできていたが、それでも北海道、中国地方は長年漏れてしまっていた。これは乃木坂46に限らずだが、興行的にも北海道は鬼門とされており、そのような集客の難しさも敬遠されていた要因であろう。乃木坂46は日産スタジアムに2日間の公演で約14万人を動員する、名実ともに国民的アイドルへ成長した。だがそれは今野氏が懸念していた首都圏アイドルであることに変わりはなく、そこからの脱却として、原点回帰またはリベンジを込めての北海道だったのではないだろうか。