The DUST’N'BONEZが鳴らすロックンロールバンドとしての醍醐味と快感 12年ぶりの意欲作を語る
冒頭からガツンとしたリフで始まるのがロック
――内容としては、すごくキャッチーな仕上がりですよね。ハイエナジーなロックンロールを中心にしつつ、バラードもあって。ロックンロールの醍醐味をいろんな角度から味わえると思います。
戸城:キャッチーさっていうのは何十年もやってきたことだし。あと、全体のバランスも考えて、一本調子じゃないのが良かったかな。
――先ほども話に上がった「dust bunny」は新作の中でも中心的な存在になるような気がします。
戸城:そうなっちゃいましたね。
――荒々しいロックサウンドとロマンティックなメロディのマッチングが素晴らしいなと感じました。
戸城:メロディもそうなんだけど、リフなんだよね、大事にしたいのは。
――そういう意味では、雰囲気を作るようなイントロの曲はなくて、どの曲も耳に残るリフからガツガツと始まってますよね。
戸城:それがロックじゃないですか。なるべくガツンとして、スキップされないようにしないとね(笑)。
――最近、長いイントロやギターソロを若者はスキップして聴いてるという話もありましたけど。
満園:Deep Purpleの「You Fool No One」とか聴く部分がなくなりますね(笑)。まあ、昔と今じゃ曲の構成が違いますから。あんまり気にしてもしようがないかなって。
――戸城さんの中で、曲を作る際に以前とは異なる意識をされたところは?
戸城:そういうのはあんまりないんですけど……昔のダスボンの曲を改めて聴いたとき、反省することが結構多くて。突拍子もない展開とか転調も多いから、もっとシンプルにすればな、みたいな。初めて聴いた人には伝わりにくいだろうし、そこはわかりやすくしようとはちょっと考えましたね。
――突飛なことはせず、スタンダードに根付くように、と。
戸城:そうそう。でも、ちょっとしたスパイスは忘れないように。
nao:今回、サビの中で転調する曲がありますよね。
戸城:そういうのがスパイスなんだよね。そこは大事にしたい。
――naoさんはダスボンの制作をどう感じました?
nao:曲ができるスピードが速いですね。あと、作り上げたモノをぶち壊す勇気も凄いなって。スタジオでいい感じでまとまったのに、全部壊して、また作り上げるみたいな。
戸城:で、まったく違う曲になったりするからね(笑)。
満園:それは昔っからそうですね。
nao:リフだけは残ってるんですけど、リズムも雰囲気も変えちゃうから、もはや別の曲なんですよね。歌詞を書いてたけど、慌てて書き直したりもしたり。
――そう考えると、時間はいくらあっても足りないですよね。
nao:そうなんですよ。時間があればあるほど変えちゃうから、今回はこれが正解なんだと思います。
坂下:「Addictions」なんか、最初はMETALLICAみたいな感じだったよね。
満園:そうそう。
――「Addictions」は妖しげなイントロから始まって、触れちゃいけないモノに触れているようなシリアスな曲ですけど、最初は全然違うアプローチだったんですね。
戸城:METALLICAっていうか、最初はFaster pussycatっていうLAのバンドみたいな普通のロックンロールで、英二が「リフがMETALLICAみてえだ!」って言ってて。ただ、何かわかんないけど、こうなりました(笑)。
――他に印象的だった曲はありますか?
戸城:「junkie」は今までになかった感じにもなって。あんまり音数も詰め込まず、歌もいいし。
――華やかなアレンジでありながらすっきりしてますよね、この曲。naoさんの歌も荒々しくて印象に残ります。しかし、その次に収録されているバラード「starry street」とのコントラストの差が激しいですよね。
nao:たしかに。別のバンドかと思うぐらい(笑)。
――最後に収録されてる「君の街」もそうですけど、激しいロックバンドによるバラードは沁みるなと感じました。
戸城:ただ、曲として考えると、「君の街」はオレの中でボツなんですよ。
満園:すごい正直に言ってるな(笑)。
戸城:何か女々しい曲だなと思っちゃって。だから、ボーナストラックっぽく、曲間をちょっと開けてるの。イントロのコード進行は映画音楽みたいでオシャレで好きなんですよ。それを使いたくて。
――でも、「starry street」とはまた違う色気があって、それが切なさをより醸し出してるし、いい曲だなと思いましたよ。
戸城:そう思ってくれる人がいたら、シメシメっていう(笑)。
――今後の活動が気になるんですけど、どういった感じで動いていくんですか?
戸城:まず、需要があればどんどんやっていきたいですよね。7月からリリースツアーもあるし。
nao:コロナ禍にしては動こうとしてるバンドだと思います。
――こういった痛快なロックンロールが詰め込まれた新作を聴くと、本当にライブが楽しみになります。
戸城:ライブに来てくれると、ベースもドラムもギターも音源とは全然違うことをやってますから。
満園:100%違いますね(笑)。だから、これからもっと良くなりますよ。
戸城:とにかく体験しに来てほしい。Deep Purpleの『Made in Japan』が原曲と全然違うように。
――Led Zeppelinのライブが毎回違うように。
坂下:まあ、ライブってそういうもんですよね。
満園:忌野清志郎先生もおっしゃってましたけど、レコードはレコード。ライブへのきっかけ作りでしかないですからね。
■リリース情報
『Search and Destroy』
発売:2022年5月18日(水)
[収録曲]
01. sad rainy
02. tattoo
03. Search and Destroy
04. RUN AWAY
05. junkie
06. starry street
07. RHYTHM
08. dust bunny
09. モノクロ
10. Addictions
11. 君の街
■ツアー情報
『THE DUST'N'BONEZ「Search And Destroy」発売記念Tour』
7月1日(金)大阪VARON
7月3日(日)博多LIVEHOUSE CB
7月4日(月)小倉FUSE
7月5日(火)小倉Cheerz
7月7日(木)広島SECOND CRUTCH
7月8日(金)神戸VARIT.
7月9日(土)名古屋ROCK'N'ROLL
7月17日(日)札幌crazy monkey
7月18日(月)札幌crazy monkey
7月23日(土)吉祥寺ROCK JOINT GB
THE DUST'N'BONEZ Twitter
https://twitter.com/dust_bonez
THE DUST'N'BONEZ キングレコードオフィシャルサイト
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=46295