渡邉理佐がいなければ今の櫻坂46はなかったーーグループやメンバーを支えた3つの力

 先日卒業コンサートが行われた櫻坂46の渡邉理佐。自身がセンターを務めた楽曲をはじめ、欅坂46時代のユニット曲に至るまで、彼女にまつわる作品が余すことなく披露され、約7年間の活動の最後に有終の美を飾っていた。

 1期生として欅坂46時代よりグループを牽引してきた渡邉は、グループが改名した後もセンターに選ばれるなど、常に先頭に立ってメンバーを引っ張ってきた。シングル表題曲でフロント(前列ポジション)に選ばれた回数は計5回。カップリング曲ではセンターにも2回抜擢されている。さらに配信シングルや代理センターの経験を踏まえれば、グループの前線に立っていた印象は回数以上に多い。また、専属モデルを務めるファッション誌『non-no』においてこれまでに表紙に登場したのも8回と、アイドルとしてだけでなくモデルとしても目覚ましい実績を残した。

 そんな渡邉の卒業には惜しむ声も多く、元non-noモデルの新木優子をはじめ、多くの人々がコメントを寄せている。卒業を記念したメモリアルブック『抱きしめたくなる瞬間』(集英社)が発売されたことからも、いかに彼女がグループにとって重要なメンバーだったかがうかがえるだろう。

グループの優しいお姉さん的存在

 今回のコンサートでは、メンバーからも一言ずつコメントが送られた。そのなかで多かったのが「些細な気遣いや優しさに救われた」といった言葉だ。例えば2期生の遠藤光莉は、渡邉に掛けられた「大丈夫じゃない時は大丈夫じゃないって言ってもいいんだよ」という言葉が心の支えになったという。こうしたさりげない一言や行動が彼女の人柄をよく表している。

 以前番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)で楽屋裏を隠し撮りした際には、率先して楽屋を片付けたり、アイスをこぼしたメンバーに対して「こぼしてんじゃねーよ」と言いつつティッシュやウェットティッシュを取ってあげるツンデレな姿が映り込んでいた。櫻坂46の2ndシングル『BAN』に収録された映像作品『SAKURA BANASHI 〜いま、話したいこと〜』には、思い悩んでいる後輩メンバーに優しく寄り添ってあげるシーンが収められている。

 彼女のファンの多くが、こうした優しい一面に惹かれている。面倒見が良く、綺麗好きで、困っている人を見たら放って置けないタイプ。そんな渡邉のお姉さん気質な一面は、メンバーだけでなくファンをも虜にしているのだ。

周りの人から好かれる魅力

 メンバーとのペアで語られることが多いのも渡邉の特徴である。

 元メンバーでは、クールな2人組として人気を博した志田愛佳との“ザ・クール”、卒業に際してコメントを寄せていた長濱ねるとの“りさねる”、卒業時期まで一緒になった原田葵との“りさあおい”、姉妹のような関係性で仲睦まじい様子を見せていた平手友梨奈との“てちりさ”など。

 現在在籍中のメンバーでも、年齢とは真逆の姉妹のような関係だった尾関梨香との“おぜりさ”、長らくシンメとしてグループの柱を担った小林由依との“こばりさ”などだ。

 こうしたペア関係は同期だけでなく後輩との間にも多い。それだけでも彼女が在籍中に分け隔てなく幅広いメンバーと接していたということが分かる。在籍中ずっと同じメンバーと一緒にいるというのはよくある話だが、時期によって仲の良いメンバーが変わったり、様々なタイプの関係性を築けるのが彼女の特徴と言えるだろう。

 「周りの人がみんな好きになっちゃうような魅力がある」とは、彼女と同期で仲の良い菅井友香の言葉(※1)だが、渡邉がどれだけ人から好かれるメンバーだったかが、このような事実から見て取れる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる