風男塾、新メンバー迎えて再び7人体制に 新たな青春の1ページ目を刻んだワンマンライブレポ
本編後半にはメンバーの特技を活かしたパフォーマンスが炸裂した。笑い溢れるステージに和太鼓の音が舞い込むと、「祭りだーーー!」という凛空の叫びを合図に、鼓太郎が和太鼓を叩きながら登場。直前までのキュートな姿からは想像もつかない、真剣な眼差しと見事なバチさばきで、風王の視線を独り占めする。また、太陽が安定感のあるソロ歌唱を響かせると、桜の花を片手に全員で「桜のYELL」を歌い踊り、桜をフラッグのように振り回して「勇気のFLAG」に繋ぐ。「勇気のFLAG」の曲中には、高身長の丈源と凛空がダイナミックな側転を繰り広げるパートもあった。前作「BLESS」のMV撮影でアクロバットに挑戦し、「俺はまた機会があったらアクションをやりたいなって思いました」と意欲を見せていた凛空にとって、この演出は大きな一歩となったのではないだろうか。
さてここで、メンバーを代表して関汰が今の想いを語り始める。新メンバーが決定するまでの不安や葛藤、再始動が決まった喜び……さまざまな感情を整理しながら、丁寧に言葉を紡ぐ関汰。
「今、生きててよかったー!ってめちゃくちゃ感じてます。今この瞬間はみんなが、生きててよかった!って同じ気持ちになってくれたらいいなと思いながら、このステージに立ってます。みなさん、待っていてくださってありがとうございます!」
そう言い添えて歌唱したのは、いつの時代も風男塾と風王を繋いできた「同じ時代に生まれた若者たち」だった。マイクスタンドにかぶりつくように全力で歌う7人の気迫が、画面越しにも伝わってくる“おなじだ”から一転、続く「青春」では、爽やかな笑顔でアイコンタクトを交わすメンバーたち。かつて涙を堪えながら先輩を送り出した卒業ソングが、新たな仲間を迎え、新生風男塾の青春の1ページ目を彩っていく。アランのラップパートも、いつも以上に軽快だ。そんなアランが、間奏中、「青春」が既存メンバーにとって初めてMVを撮影した楽曲であることを話し始めると、3人は「あの時も今と同じ7人でした!」(アラン)、「今日は俺たち3人にとっても、新たなスタートの日です!」(凛空)、「これから、この7人で風男塾の歴史を繋いでいきます。応援よろしくお願いします!」(関汰)とリレーのように宣誓。本編ラストは、1カ月という短い期間ながらも、7人で必死に準備してきた日々を束ねて「七色の鳥」を歌い上げた。
さらにアンコールでは、6月22日にリリースを控える最新曲「Hello Hello」を初披露。〈TikTok〉や〈バーチャル〉など、現代ならではのワードを散りばめながらも、風男塾らしい明るい応援歌が飛び出した。そして、全員の挨拶を挟むとラストナンバー「いい男」へ。憧れの風男塾の一員になるという夢を叶えたメンバーや、dreamBoat研究生からチャンスを手にしたメンバーなど、さまざまな経歴の7人が肩を組みながら楽しそうに歌う姿が微笑ましい。その姿を見ていたら、MCで凛空が語った「こんなに素敵な4人が入ってくれて、最強で最高の同期がいて、まだまだ大丈夫だなって、これからだなって思いました!」という言葉が、スッと心に染み込んできた。そう、彼らの青春はまだ始まったばかり。先輩たちもそうであったように、メンバー一人ひとりが自分だけの色を見つけ、最高を更新していくことで、風男塾はどこまででも高く飛べるのだ――。最後に清々しい笑顔で「ふっばーい!」と手を振り、立ち去る7人の背中が、少し大きく見えた公演だった。