風男塾、新メンバー迎えて再び7人体制に 新たな青春の1ページ目を刻んだワンマンライブレポ

 長年、男装ユニットのパイオニアとしてシーンを牽引し、今年9月には始動15周年を迎える風男塾。4月にメンバー2人の卒業ライブを行った彼らが、5月3日・渋谷ストリームホールにて新体制での初ライブ『風男塾 LIVE 2022 ~RESUME~』を開催した(ニコニコ生放送でも配信)。本公演には、柚希関汰、英城凛空、葉崎アランという既存メンバーに加えて、胡桃沢鼓太郎、赤星良宗、天堂太陽、凰紫丈源という新メンバーが登場。2部編成で行われたライブのうち、本稿では第1部の模様をレポートする。

 アランのテンション高めな影アナウンスによって、開演前から期待と興奮が充満した場内。先輩たちが歌唱する楽曲(BGM)に耳を澄まし、風男塾が辿ってきた道に思いを馳せていたところで、待ちに待ったライブが開演した。ステージスクリーンに各メンバーの紹介が映し出されると、7人は1人ずつステージ中央へ。初代風男塾を彷彿とさせる制服姿で、新メンバーに関しては、少し緊張した面持ちが入学式の新入生を思わせた。それでも、オープニングナンバー「風一揆」に突入すると、すぐさま瞳に闘志が宿る。突き上げる拳に、新生風男塾として進んでいく覚悟を重ねて歌う様は、じつに堂々としたものだ。

「新たな風男塾の……幕開けだ!」

 関汰の一声から始まったのは、“あらまく”こと「新たなる幕開けのための幕開けによる狂詩曲~キミがいればオレたちも笑顔∞~」。これまでも歴代風男塾の魅力を凝縮して伝えてきたこの曲は、本公演でも「俺ってイケメンですよね?」(丈源)「うん そうだねー」(アラン)というコミカルな掛け合いや、元気いっぱいな太陽のラップパートなど、7人の個性とチームワークが光る1曲に。いつもは身長の低さをいじられている関汰も、高い歌唱力とダンススキルでメンバーをリードし、大いに存在感を発揮していた。続くMCタイムでは、新メンバーの自己紹介中に凛空とアランが愛のあるガヤを入れ、歓声を上げられない風王(ファン)の分まで盛り上げる場面も。そんな先輩らしい気遣いに、加入してから約1年という早さでグループを引っ張る立場になった3人の頼もしさと努力を実感した風王も多いことだろう。

 その後も、幕開けの日にふさわしい楽曲たちが時代を越えて次々にステージに現れた。鼓太郎のあざと可愛い〈トテテテ〉や良宗のクールな〈さぁ おいで〉など、多数のキメ台詞が風王を虜にした「男装レボリューション」。やんちゃな笑顔が眩しい凛空の「行くぞー!」に煽られる中、多彩なハーモニーとフォーメーションダンスで元気を届けた「Dash&Daaash!!」。クラップの練習をしてから臨んだ「テノナルホウヘ」や懐かしの初期楽曲「17’s STAR」では、メンバーの言葉に導かれるようにカラフルなペンライトが波打ち、心地よい一体感を生み出していく。歴代メンバーたちが紡いできた風王との絆を、今一度、固く結ぶように。その一方で、低音イケボの良宗をはじめとする新メンバーの歌声が、ボーカルの幅をグッと広げ、いちだんと鮮やかに楽曲を染め上げる。171cmというグループ1の高身長・丈源が加わったことも、良い意味で7人の個性を際立たせ、パフォーマンスに新鮮な風を吹き込んでいた。

 本編中盤のMCも、すっかりお兄さんになった関汰の進行でトークが弾む。前半のMCでは少し固い表情だった太陽も、この頃には緊張がほぐれたようで「めちゃくちゃ楽しんでます」とニッコリ。丈源は「めちゃくちゃ“ちむどんどん”してます! 心が高鳴ってドンドンしてるよって意味です」と地元・沖縄の方言でコメントし、沖縄トークで盛り上げた。だが、同公演で一際大きな笑いを起こしたハプニング王はこの人、葉崎アラン。関汰が「来年はお花見ロケとかしたいね」と切り出すと、アランがレジャーシートを「レシート」と言い間違え、ニコ生の視聴者からもツッコミが入る。以前のインタビューでも「お笑い担当じゃないのに、しゃべるとなぜか笑いが起こってしまうんです」と話していた彼だが、やはり笑いの神に愛されているようだ。

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