嵐「Love so sweet」が愛され続ける理由とは? リリースから15年、“国民的ラブソング”の歴史を辿る
嵐の「Love so sweet」が、Billboard JAPAN集計のストリーミング累計再生数で1億回を突破(※1)。嵐の音楽作品の中でも群を抜く記録を達成した。
2019年10月9日に公式YouTubeで公開された同楽曲のMVも、現在までに動画再生回数4,160万回を記録(5月2日時点)。2007年2月のシングルリリースから今年で15年を迎えた「Love so sweet」が、長く愛され続ける理由を探ってみたい。
「Love so sweet」(作詞:SPIN、作曲:youth case、編曲:mugen)は、メンバーの松本潤が出演した2007年1月期放送の大人気ドラマ『花より男子2(リターンズ)』(TBS系)の主題歌に起用された。また、発売から8年後の2015年には、キリンビバレッジ「午後の紅茶」のCMソングに起用されるなど、いかに人々に浸透していたかが窺える。
弾むような鍵盤の音色に、優しくもキレのあるシンバルのリズムが重なり、ときめきを誘うキラキラとしたイントロ。ストリーミングサービスにおける視聴環境が主流となった今から見れば、しっかりとしたイントロを設けているのも2000年代のJ-POPならではの特徴かもしれない。Aメロからメンバーの歌声で物語の世界へと誘うのだが、ハーモニーも中音域に留めたことで重すぎず、前向きな印象を与えている。
歌詞も、恋をして下を向くのではなく、顔をぐっと上げて空を見上げ、思いを馳せるよう前向きな印象の情景描写が連なる。2005年放送の『花より男子』(TBS系)の主題歌にも「WISH」が起用されたが、第2シーズンではドラマのストーリーと連動するかのように、「Love so sweet」の歌詞に込められたメッセージも少し大人の階段を登ったような成長が感じられる。「WISH」と比較してややテンポをあげ、疾走感を纏ったところにも真剣さや深みが感じられる。
必ずしも成就するとは限らないのが恋、それでも相手を思う気持ちは変わらない。歌詞にそんなフレーズが盛り込まれているのも興味深い。リズムが取りやすいのに加えて、サビでは〈笑ってもっと〉〈きっとそっと〉のように“っ”が入ることで言葉が弾み、歌いやすさにも繋がっている。
ラブソングでありながら、〈信じることがすべて〉〈明けない夜はないよ〉のフレーズなど、恋愛と切り離して心の支えとしても響く。そんなストーリー性とメッセージ性が強い点も長く愛されている理由と言えそうだ。