EXILE ATSUSHI、幅広い楽曲をJ-POPとして歌い上げた新機軸 音楽と向き合う自由なマインドを語る
2020年11月のEXILEのグループ活動勇退後、EXILE ATSUSHIがリリースする5枚目のソロアルバム『ONE』は、ブラックミュージックを愛する彼ならではの極上のソウルアルバムだ。そして、ソロ活動に専念したがゆえの変化が明確に表れている。
その変化をATSUSHIはこう語る(以下、発言は全てリリースに伴う取材時のもの)。
「EXILEだと、バラード以外はダンスパフォーマンスを考えて作ることが多かったので、自分の中でEXILEとソロとの対比みたいにバランスを取っていて、ソロではバラードが多かったりしたんです。でもソロに専念してからは、そういうことをしなくてよくなったので、思うがままに作れるようになりました。もちろんライブをイメージして曲を作ったりもしますし、それはEXILEでの経験が活きています。今までよりも自由にアルバムを作れた感覚ですね。EXILEのグループ活動を卒業したことで自由になってから、『自分は根底ではJ-POPとしての聴きやすさをすごく重視しているんだな』と気づいて。肩の力が抜けた感じがしますね」
ATSUSHIの制作ペースは速い。『ONE』収録曲の中でも、5曲は2021年に次々と配信リリースされた楽曲だ。その制作ペースの理由をATSUSHIはこう語る。「やっぱりコロナ禍が影響しています。なかなかライブができないので、曲を作って配信することを続けていて、10曲が速いペースでできました。ライブがない分、みなさんが退屈しないように、曲を作って喜んでくれたらいいなという感覚が強かったかもしれないですね」
そのなかでもアルバム冒頭を飾る「Heart to Heart」は、溌溂としたソウルナンバーにして、ATSUSHIの声の魅力を引き出すメロディになっている。続く「Night Flight」では、ファンキーなリズムセクションによるグルーヴにATSUSHIのボーカルが乗っていく。「KAZE」では、伸びやかな歌声が聴き手の胸に迫る。
その一方で、やはり2021年にリリースされた「I always love you 〜いつもそばに〜」は、心地良いレゲエナンバー。そこに続く新曲「たびだちのとき -Bloom in my heart-」もレゲエナンバーだ。
2021年にリリースされた「Amazing Grace」はあまりにも有名な賛美歌だ。そして、『ONE』から先行リリースされた「You Raise Me Up」はSecret Gardenのカバー。アイルランド民謡色の濃い楽曲だ。