『SPY×FAMILY』『ダンス・ダンス・ダンスール』……さらなるヒット拡大が期待される、話題のアニメと主題歌

　東京バレエ団ともコラボ経験のある『ダンス・ダンス・ダンスール』（MBS/TBS系）も、今期注目されているアニメ作品だ。本格的なモーションが話題を呼んでいるオープニングはYUKIによる「鳴り響く限り」。リズミックかつ抑揚のあるたおやかな歌が、伸び伸びと踊るバレエの動作とマッチする。ポップで華やかな音色も優美なバレエとリンクするようだ。これまでも人気アニメの主題歌を手がけてきたYUKIが、また新たにアニメとの化学反応を起こしたと言える。また、エンディングを飾るヒトリエ「風、花」も軽快なギターリフとダンサブルな曲調で作品を支え、バンドの新たなる一歩を感じさせる楽曲だ。美しい作画、そしてバレエという国際的なテーマも含め、海外でも注目を集めうる作品である。

　競馬学校を舞台にしたアニメ『群青のファンファーレ』（TOKYO MXほか）のオープニングテーマはJO1、エンディングテーマはSawanoHiroyuki[nZk]が担当。エンディングの「OUTSIDERS」にはJO1から河野純喜と與那城奨が参加しているため、JO1の歌声がアニメの始まりと終わりをともに飾る形となっている。作中で描かれる「全員が騎手になれるわけではない」という厳しい競馬の世界は、オーディションを勝ち上がって結成されたJO1にも通ずるものがある。〈自分を超えて　未知の世界へ　Go up〉、〈夢のゴール向かって〉と歌うオープニングの「Move The Soul」は、作品で描かれる競争をスタイリッシュなサウンドで映し出すが、それはかつてJO1になる以前のメンバー自身を振り返っているような歌詞でもある。JO1の魅力を改めて浮き彫りにするタイアップかもしれない。

　多くの注目作が揃う今年春のアニメ作品。映像と融合することによってさらに魅力が増す主題歌も、アニメとともに世界的なヒット作が生まれる可能性も大いにある。アニメを楽しみつつ、今後の主題歌の動向にも注目したい。