KANA-BOON、困難乗り越え“4人”で始める新しい物語 希望に満ちたホールワンマン東京公演

古賀隼斗(Gt)

 今回のライブにおいて特に強いインパクトを残したのが、アルバムのラストを担う2曲であった。ミラーボールの光と共に届けられた歓喜のダンスチューン「スターマーカー」は、もはや完全に彼らの新章を象徴する新しい代表曲として響いていたし、何より、「メリーゴーランド」のラストの一節は、まさに谷口自身の生き様を高らかに叫んでいるようで、強く心を動かされた。

〈生きることはつらいものです/死ぬことすら眩しく見える/それでも日々にしがみついて生きよう/光れ. 光れ〉

 生きること。そして、バンドを続けていくこと。その輝かしい意義を、真っ暗な日々の中から自分たちの手で掴み取ることができたKANA-BOONは、とても逞しく、頼もしいバンドになったと思う。4人でロックシーンを走り続けていく上では、これからもたくさんの壁に直面することもあるかもしれない。それでも、深い絶望の中から力強く走り始めることができた彼らなら、この先、どのような困難も乗り越えていけるはずだ。初めて『Honey & Darling』を聴いた時にも同じことを思ったが、今回のライブを観て、その確信がさらに深まった。

 KANA-BOONの新しい物語は、今まさに始まったばかり。彼らは大阪公演を経て、5月26日から全20公演の全国ツアー『KANA-BOON LIVE TOUR 2022 Honey & Darling』をスタートさせる。ここからギアを上げて加速していく4人の姿を、これからも追いかけ続けていきたい。

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