04 Limited Sazabys、日本の音楽シーンを照らす明るい光 3年ぶりの『YON FES』が踏み出した新しい一歩
本フェス皆勤賞のMy Hair is Badは、その責任を全うするエモーショナル極まりない歌声と演奏を叩きつける。「YON FESに出し続けさせてもらい、それが当たり前になってて。いつまでも呼んでもらえるように、この曲が俺の一番の気持ちです!」と椎木知仁(Vo/G)はMCを挟み、ラストに新曲「歓声をさがして」を堂々とプレイ。
5年ぶりに『YON FES』に帰って来たWANIMAは「BIG UP」から持ち前の陽性サウンドで焚きつけていく。「雨も止んだよ、みんなの心も晴れたらいいな」とKENTA(Vo/B)は明るく話しかけ、「雨あがり」へ。また、亡き祖父に捧げた「1106」では情感豊かな歌メロで感動の渦を巻き起こしていた。
「SKY STAGE」、「LAND STAGE」と計10組の出演者がバトンを繋ぐと、遂にフォーリミの出番がやって来た。SEが流れてGEN、RYU-TA(Gt/Cho)、HIROKAZ(Gt)、KOUHEIのメンバー4人が揃うと、「monolith」でスタート。いままで聴いた中でも最強と思える気迫のこもった演奏を浴びせ、間髪入れずに「fiction」に移行。ダイナミックな曲調で勢い付くと、「fade」、「Alien」と畳み掛ける怒涛の攻めっぷりである。
「名古屋代表、04 Limited Sazabysです。天気ももってくれて、寝不足だけど、心はホクホク。俺たちには『YON FES』が必要です、皆さんにとってもそうあって欲しい」とGEN。加えて、今年2、3月に若手バンドを招いた対バンツアー『Human Communication tour 2022』の話にも触れ、その流れで「名古屋のライブハウスの曲」と説明して「758」をプレイ。バンドやライブハウスを取り巻くシーンについて、彼らなりに届けたい思いがあったのだろう。音楽を止めず、シーンを絶やすわけにはいかない。そんな揺るぎない信念を貫くタフな演奏に鳥肌が立つ思いであった。
2ビートで攻める「My HERO」を経て、次の「swim」ではスカパラを迎えたスペシャルバージョンで披露。その後の「hello」を演奏中、母親らしき女性が小さな子どもを抱いてノッている姿が目に入った。今日の会場内には家族連れで『YON FES』を楽しむ人たちもちらほら。そういう光景からも、フォーリミの音楽が親から子へと確実に受け継がれていることを痛感した。
そして、「『YON FES』が自分たちだけじゃないものになっている」とGENは告げ、「Buster call」、「Terminal」で本編を締め括った。アンコールでは屋外で抜群に映える「midnight cruising」を解き放ち、残すはラスト1曲となった。「『YON FES』ありがとう!」という感謝と共に「message」を披露。現在がどんなに暗くても、未来には明るい光が待っている。そんな希望に満ちたメッセージを、豪放なメロディックチューンに乗せて、流星のように走り抜けた。
今年、『YON FES 2022』2日間を無事成功させたことが、明るい光になったと言えまいか。本フェスが地元・名古屋はもちろん、日本の音楽シーンになくてはならない”大切な場所”として根付く新たな一歩を刻んだと言っても過言ではない。スクリーンに煌々と映し出された「See you next year」の文字を観て、来年もこの場所に戻りたいと願わずにはいられなかった。