RAKURA、『名探偵コナン ゼロの日常』OPテーマで表現したリアルとフェイク 初フルアルバムと共に振り返るデビューからの日々

RAKURA『名探偵コナン』OP曲への喜び

(10代の最後は)「ティーンらしさを全開で突っ走ります!」

ーーでは、レコーディングはどんなアプローチで臨みましたか。スイングジャズを歌うのは初めてですよね。

RAKURA:そうですね。だから、まず、プリプロの段階で、1日中、リズムトレーニングをしたんですよ。全く歌わせてくれなくて。ブースに入って、まず、手拍子をして。クラップして、体や机を叩いたり。それを8時間くらいやって……。

ーーえー! そこまで特訓したんだ!?

RAKURA:そうなんですよ。プリプロって聞いてきたのに、全然歌わせてくれないじゃんって思って(笑)。やっと歌えたと思ったらもう夜になっていました。帰る直前に1時間くらいだけ歌って。それまではずっとリズムトレーニングだったんです。それくらい、あの生演奏のグルーヴを体に入れ込まないといけなかったんですね。その時は「早く歌いたい」とか、「もう疲れた」と思っていたんですけど、本Recをした時には、リズムを入れることが一番大事だったんだなって実感して。だから、今もそのリズムトレーニングは、毎日続けています。これから先、リリースした後も、ずっとこのリズムを体の中に入れていたいなって。その中でいつか余裕が生まれてきて、ちょっと音で遊べるようになるまでは、まだフレッシュな「Shooting Star」だし、これから熟されていく曲だなと思います。

ーーバーレスク風だった「Jewel in the Crown」とも違うリズムですか?

RAKURA:違いました。何よりも違うのは、初めて生演奏でレコーディングしたっていうことですね。今までの打ち込みはBPMが一定だったんですよ。それとは全く違うものでしたね。一番意識して聴いていたのはベースの音。ウッドベースを弾いてくださった川崎哲平さんが本当にいいグルーヴを作ってくださって。弾く音の中に丸みを感じるハネ感があって、裏と表、全てで鳴っている感じ。それを聴きながら、軸を保ちつつ、ドラムのライドシンバルがスイングしているんですよ。一定のベースとライドのスイングを大事にして歌いました。初めて生のグルーヴに乗って歌うというのは本当に難しかったんですけど、いつもと違うという楽しさもあって。ノリノリで楽しんで歌うことができました。

ーー初めてスイングジャズにチャレンジした楽曲が完成してどう感じましたか。

RAKURA:カッコいい! と思いました(笑)。リズムに乗れてるじゃんと思ったし、これが『ゼロの日常』の映像と合わせて流れるのを想像するとワクワクして。安室さんといえばドライビングテクニックのすごさも代名詞なので、安室さんが運転する車のスピード感とも合うんじゃないかなと思いますね。

ーーアニメとは別にMVも撮影しているんですよね。

RAKURA:そうですね。MVは歌詞と同じく、ちょっと対比する世界を表現しました。いくつかのRAKURAも登場するし、アニメともリンクする世界観になっているので注目して見てほしいです。映像としては、南米の街角をイメージしていて。街先で音に合わせて近所の子供達と踊ってるようなイメージなので、明るい感じで楽しめるし、ちょっと大人なRAKURAが見られると思います。あと、実はMVの撮影中に誕生日サプライズをしてもらったんですよ。カメラマンさんから「次、キッチン行って、冷蔵庫開けて」っていう指示があって。普通に撮影だと思って、その通りに動いていたら、冷蔵庫の中にケーキが置いてあって。みなさんが「ハッピーバースデー」を歌ってくださって。そういうサプライズをしてもらって、嬉しくて泣いちゃいました。

ーー(笑)。メイキングで見れるかな?

RAKURA:撮影の裏側もぜひ見て欲しいですね。19歳になった瞬間が映ってると思います。

ーー10代最後の1年ですね。どう過ごしていきますか。

RAKURA:……はぁ、そうですよね。あと1年で二十歳になるんですね。やばいですね。ティーンラストはもう、ティーンらしさを全開で突っ走ります! ティーンって言えるのは今しかないし。「Teenage Dream」っていう曲も……ま、延々に夢を追いかけるんですけど、今にしかないフレッシュさを全開に届けたい、頑張っていきたいと思います。

ーーアルバムはまさにフレッシュなラブソング「Orange soda」から始まりますが、配信リリース順でいうと、最近の「Orange soda」「Shinjuku no Nekomae」「Shooting Star」と日本語歌詞の割合いが増えてきてますよね。

RAKURA:私は曲の中に伝えたいことを詰め込んじゃう癖があるんですよ。あれもこれも伝えたい、こんな気持ちもあんな気持ちも表現したくなって、言葉が溢れかえっちゃうんですよね。限られた言葉数の中で、うまく簡潔に、良い言葉を選んで歌詞にする。その中で英語をたくさん使ってしまうと、聴いてくれてる日本人の方には、意味が伝わらないと空白の部分がたくさんできてしまう。もちろん、音としてカッコいいから、英語を使いたい場所もあるし、日本語で言うのは恥ずかしいから英語で言うっていうところもあるんですけど、あれもこれも伝えたいとなると、英語じゃなくて、全部日本語で書きたいっていう思いが強くなって。だから、伝えたいという気持ちが強くなった結果、日本語が増えてるっていう感じですね。

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