クボタカイ、多彩な音楽で切り取る日常の景色 初のバンドセットライブに臨んだ特別な一夜

クボタカイが切り取る日常の景色

 そんなMCを経て、10代のときに作ったという「TWICE」へ。アップテンポに畳みかけるようなリリックとともに、終盤ではバンド隊も激しさを増していく。ダンスチューン「MIDNIGHT DANCING」で軽やかに韻を踏みオーディエンスも思い思いに身体を揺らすと、「次の曲は撮影OKです」と新曲「ナイトイーター」へ。華やかな雰囲気で会場をダンスフロアに染め上げ、「エックスフレンド」、ピアノの音色が神秘的なバラード「ノンレム」に続く。ダンスチューンからフリースタイルラップまで、ラッパーとしての手腕とポップセンスが光る様々な楽曲。この日初披露となった「ノンレム」をはじめとするいくつかの新曲はさらにそのカラフルさに磨きをかけるようだった。

 「自分を自分で好きになりきれない」と口を開いたクボタ。「自分の好きな自分になりたくて音楽をやっています。好きな自分になるためにはファンが必要不可欠です。みんなもこれからもクボタカイの音楽を生活に取り入れてほしい」と気持ちを語ると、「MENOU」を切なくしみ込ませていく。そして「僕が死んでしまっても」へ。終盤の語りパートではこれまでのクボタの自然体な歌唱に感じなかった強い感情が垣間見え、存在感を刻み込んだ。

 1人で登場したアンコールでは、レスポールギターの弾き語りで「アフターパーティー」を演奏。甘いレスポールの音色にのせて、景色を切り取るようにゆっくりと紡いでいく。1人になることで内省的な感情がより際立ったように感じられた。

 再びバンドを呼び込むと最後に「せいかつ」を披露。グルーヴィーなバンドサウンドと秀逸なリリック、それを歌うクボタの柔らかい歌声によって多様な曲調の楽曲が贅沢に披露され、音楽の楽しさを日常の景色を通じて分かち合ったような一夜となった。

■リリース情報
「ナイトイーター」
3月23日 配信開始
https://kubotakai.lnk.to/nighteater

■関連リンク
オフィシャルサイト:https://www.kubotakai.com/
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