Non Stop Rabbit、白熱の2年ぶりライブ 観客に音と言葉で思いをぶつけた『本気の2DAYS、4番勝負!』公演
「心でノンラビを感じてもらえる曲になってます。聴いてください」という矢野の一言に続いて披露されたのは「未来へ」。爽やかなサウンドとメロディが運んでくる、未来へ向けられた輝かしい希望は会場をあたたかなムードで包み込んだ。一転、次の「全部ブロック」では、心無い誹謗中傷が飛び交うSNS時代に対しての怒りを爆発させる。「SNS時代になりました。俺らもそこから出てきた人です。今の時代はしんどい。だからSNSに悪口を書く。しょうがない。俺らみたいなヤツらがサンドバッグになったらいいよな。……間違ってるよ。そんなのいいわけねぇだろ!」。曲が始まる前に田口が語った思いとともに、この曲は観客たちの心に大きな爪痕を残したはずだ。そして、またも一転。「(「全部ブロック」で)怖い思いをさせてしまったので(笑)、ここからは明るく跳んでいきたいと思います」と田口が笑顔を見せ、「Needle return」へ。サビでは観客たちが激しくタオルを回し、最高の一体感を作り上げることとなった。ノンラビはいいことも悪いことも、すべてを包み隠さず曲として表現していくことで、様々な人生を送っているすべての人たちに寄り添おうとしているのだと思う。このパートでの3曲では、そんな彼らのアティチュードを特に強く感じることができた。
「どうですか? 楽しかったですか? まだまだご時世的にはしんどいことがたくさんあると思います。俺らもライブ、2年できなかったし。俺らがライブできねぇなんて、片方の取り柄奪われちゃったようなもんなのよ。だから正直、曲書いててもさ、直接お前らに届けられないんだったら意味ねぇなって思ったし。そんな思いして書くのもなかなかしんどかったです。けど、そんな中だからこそ生まれた曲もあって。それを今日はしっかり届けたいと思います。ほんとに集まってくれてありがとうございます。ほんとに会えてよかったです。これからも自分を大切にして、その先でまた会えるようにお互いがんばりましょう」(田口)
そんな思いのこもったMCの後、コロナ禍の経験があったからこそ生まれたという「優等生」でオーディエンスの生きる気持ちを力強く鼓舞。そして、「心の中で歌ってください」という矢野のひとことに導かれ「PLOW NOW」を激しくプレイ、最高潮の盛り上がりを見せながらライブは大団円を迎えた。
コロナ禍がここからどうなっていくかはまだまだわからない。だが、耐え忍んだ2年を経てつかんだ“ライブ再開”という希望の兆しは、ノンラビにとっての大きな追い風になっていくことだろう。ライブ中に発表されたように、7月から放送がスタートするTVアニメ『転生賢者の異世界ライフ』のオープニング主題歌を手掛けることも決まった。バンド名に嘘偽りなく、ここからの彼らはノンストップで突っ走っていってくれるはずだ。
■セットリスト
1.私面想歌
2.上向くライオン
3.明るい歌
4.BAKEMONO
5.TABOO
6.dress
7.大丈夫じゃない
8.未来へ
9.全部ブロック
10.Needle return
11.優等生
12.PLOW NOW