生演奏パフォーマンスの「it’s Live」、ダンス特化の「STUDIO CHOOM」…ニッチな視点から人気を得たK-POPチャンネル

　K-POPアイドルのカムバック期間は、様々な媒体で楽曲のプロモーション活動が行われる。そのうちのひとつに、YouTubeでの活動も含まれるようになった。例えば、韓国のケーブルテレビ局 Mnetは音楽番組の一部をアップするメインチャンネルの他に、サブチャンネル「M2」を運営しており、今ではK-POPシーン全体に浸透したリレーダンス動画などを投稿している。「M2」に限らず、ここ数年ではテレビやラジオではなく、YouTubeを主体としたメディアも珍しくなく、アイドルにとっても1つの楽曲に関して様々な角度から魅力をアピールできる機会が増えた。

　主に生演奏バンドでのパフォーマンスを披露する「it’s Live」は、高解像度のサウンドと出演者の美しい歌唱シーンが見どころのYouTubeチャンネルだ。音楽番組でのパフォーマンスと異なるのは、同チャンネルならではのバンドサウンドバージョンを聴くことができること。いわゆる、打ち込み音のイメージが強いK-POPの楽曲をバンド形式で演奏するのは新鮮さが増す。「it’s Live」シリーズの動画は、出演者が冒頭で挨拶するところから始まる。披露する楽曲の魅力や注目ポイントなどを自らの口から伝えた上でパフォーマンスに移行することができるため、アーティストにとっても利点があるだろう。トークからパフォーマンスまでのノンストップな進行や、生演奏に合わせて歌う緊張感も相まって、ライブの雰囲気が演出されている。

　また、披露する楽曲は、自身の新曲やオリジナル曲に限らず、他グループのカバーも盛んだ。中でも、PENTAGONによるBLACKPINK「Lovesick Girls」のカバーは「Lovesick Boys」というタイトルで投稿されており、800万回再生を超える好評っぷりだ。さらには、コンサートの開催が制限されるコロナ禍という状況からもこうしたライブ感が求められており、同チャンネルの人気に繋がっているとも考えられる。ダンスボーカルグループに限らず、実力派シンガーもコンスタントに出演している「it’s Live」。ジャンルレスに楽曲面での魅力を発信できるチャンネルとしてアーティストとファンの双方に重宝されていると言えるだろう。