岩田剛典や白濱亜嵐に続き、お茶の間に広がるEXILE TRIBEの新たな顔たち THE RAMPAGE & FANTASTICS注目メンバー
演技に特化したメンバーの活躍を後押しするTHE RAMPAGEに対して、FANTASTICSはメンバー全員で“芝居”と向き合ってきたグループである。その始まりは、2019年に開催した初の単独ツアー『FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE』。演劇パートの“DORAMA”とライブパートの“SOUND”の二部構成で届けられた本ツアーは、FANTASTICSの活動の方向性を示すものとなり、2020年にはメンバー全員が主演を務めるドラマ『マネキン・ナイト・フィーバー』(日本テレビ系)が放送された。当時、地上波のドラマに出演した経験があったのはリーダーの佐藤大樹だけだったが(世界は舞台『劇団四季 ライオン・キング』でヤングシンバ役を演じた経験あり)、2014年にEXILEに加入する以前から俳優をやっていた佐藤が「クランクインする前にみんなで稽古をしてから撮影に臨んだのですが、前回のホールツアーで初めて全員で芝居に挑戦させてもらった時と比べると、振り覚えとセリフ覚えの早さが格段にレベルアップしていて。実は僕が一番焦ってました(笑)」(※4)と語るほど、全員気合い十分。アドリブパートを盛り込んだシチュエーションコメディで鍛えられた彼らは、2021年、世界と佐藤を除く6人=FANTASTIC6として、歌と芝居が融合したライブステージ『BACK TO THE MEMORIES』を開催した。
その主演を務めたボーカル 八木勇征が、俳優・萩原利久とのW主演ドラマ『美しい彼』(MBSドラマ特区)の清居奏役で一躍有名になったのは、それからわずか3カ月後のこと。メンバーの前ではお茶目な印象の強い八木だが、初主演ドラマにして、圧倒的なオーラを放つ美しいビジュアルと、素直になれない恋心を併せ持つ、ツンデレな役どころを見事に演じ、今では国内外で人気を博している。同作について語るインタビューには、何事にも常に真摯に向き合ってきた彼らしい言葉が並び、同性同士のキスシーンも誠実に演じきった。そう、その素直さと、新しいものを貪欲に吸収しようとする姿勢こそが彼の武器。清居という役は確かにハマリ役だが、きっと八木はそれがどんな役であったとしても、素直に受け止め、入り込んでいく俳優なのだろう。
八木が演じた強引なキスシーンと同じく、佐藤大樹が2月15日放送開始の主演(見上愛とのW主演)ドラマ『liar』(TBS系)で披露した刺激的な姿も、世間をざわつかせている。『HiGH&LOW』シリーズのチハル役や映画『4月の君、スピカ。』の主演・宇田川泰陽役などを演じ、フレッシュな印象が定着していた彼は、2020年に放送したドラマ『恐怖新聞』(フジテレビ系)で徐々に豹変していく“主人公の優しい恋人”を演じ、見事にイメージチェンジ。『liar』では、恋人がいながらヒロインを振り回す悪い男・市川一哉として、第1話から清々しいほどのクズっぷりを見せた。素の佐藤が見せる笑顔が爽やかなだけに、市川という役がまとう闇の深さが怖い。なお、エンディング主題歌はFANTASTICSの新曲「Turn to You」。同曲は佐藤演じる市川の目線で制作されたラブソングで、佐藤は「長年掲げていた“自分の主演ドラマで主題歌を担当する”という夢が叶いました」(※5)と喜びを語っている。
2人がシリアスな役と向き合う一方で、堀夏喜(通称ホリナツ)と木村慧人は、キャッチーなコメディ作品で人気を得ている。もともと、自身の冠番組『ホリナツのカンムリ(仮)』(メ〜テレ)などでユーモラスな一面を見せていた堀は、昨年放送されたドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系)に、俳優の杉野遥亮演じるヤンキー 黒川森生をリスペクトしている子分・桃井草介役としてレギュラー出演。激しい乱闘シーンもありつつ、食いしん坊で脳天気な姿が可愛いと評判だった。
以前から「青春モノの作品に出演したいです。高校生役は今しか演じられないと思うので、挑戦してみたいです」(※6)と演技の仕事を熱望していた木村は、ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系)の第4話(2月5日放送)に、グローバルな転校生・藤堂凛音役としてゲスト出演。個人としてはこれが初の地上波ドラマ出演ということで、気合いの入った様子の彼は、キラキラとした王子様スマイルやセクシーな木刀ダンスを披露し、“最強イケメン”を好演したのだが……ドラマをリアルタイム視聴&SNSで実況していたFANTASTICSメンバーにはとことんいじられており、役柄とのギャップで、ますます愛されキャラが加速するのだった。
さて、できる限り多くのメンバーを紹介してきた本コラム。今回は最近話題のメンバーにスポットを当てたが、紹介しきれなかった人や、俳優として大輪の花を咲かせる日を夢見て努力し続けている人が、Jr.EXILEにはまだまだたくさんいる。そして、大舞台のチャンスを掴めるかどうかはその人次第だが、先輩の主演作で俳優デビューを果たしたメンバーがいるように、チャンスの回数を増やすのは仲間の活躍も大きな要因のはず。だからこそ、LDHの新たな顔として活躍の場を広げる彼らに、筆者は心からのエールを送りたい。その先に、1人でも多くのJr.EXILEの夢が叶うことを祈って。
※1:http://www.team2020.jp/_ct/16852168
※2:https://realsound.jp/2022/01/post-949911.html
※3:https://realsound.jp/2020/04/post-542226.html
※4:https://realsound.jp/2020/11/post-654823.html
※5:https://www.mbs.jp/liar/
※6:https://realsound.jp/2020/11/post-654823.html