@onefive、“一期一会”で気づいた発信の大切さとグループの武器 1stアルバム『1518』インタビュー

@onefive、グループの武器

 @onefiveが、2月2日に1stアルバム『1518』をリリースした。今作には「Pinky Promise」をはじめ、2019年10月のデビューから現在までに@onefiveが出会った人や楽曲、経験との“一期一会”がテーマになっている。
 今回の取材では、その軌跡の中で「@onefiveらしさ」を見つめることになった楽曲「Underground」を起点に、彼女たちのグループへの考えやこれからのビジョンについて聞いた。(編集部)

自分たちのなりたい@onefive像がわかってきた

ーー皆さん、@onefive結成前から一緒に過ごしてきたんですよね。

全員:はい。

MOMO:以前、同じグループ(さくら学院)に所属していて。

ーーどれくらいの付き合いになるんですか?

MOMO:小学校6年生からなので……。

KANO:6年ぐらい?

GUMI:そうだね。KANOとSOYOは7年ぐらい?

SOYO:そう。で、4人が集まって6年。

MOMO:お互い何でも知ってるし、幼馴染みたいな感覚です。

ーーそんな4人が@onefiveとして2019年10月に「Pinky Promise」でデビューするわけですが、その当時は@onefiveをどんなグループにしていきたい、この4人でどうなっていきたいと考えていましたか?

GUMI:前のグループが中3で卒業することになっていたので、その先も4人で活動できるんだなと思ったらすごくうれしくて。具体的にこうというよりは、ただ漠然と世界のスーパースターになりたいみたいな感じでした(笑)。

MOMO:うん、ずっとキラキラしていたいとか大きなグループにしたいとか、まだアバウトな感じでしたね。

SOYO:あんまり深く考えていなかったよね。どちらかというと「やった、また4人で活動できる!」っていう考えが先で、まだまだ子供だったのかな。

KANO:でも、この4人なら楽しくやっていけるんじゃないかなと、すごくワクワクしたことは覚えています。

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ーーそういったことを具体的に考えられるようになったのは、いつ頃でしたか?

MOMO:最初は(2020年6月発売の)1stシングル『まだ見ぬ世界』リリース前ぐらいかな。ちょうどその頃はコロナウイルスの影響が一番大きかった時期で、いつまた活動できるのかなと考える状況になったことで「早くライブをしたい」「もっと曲を出したい」「ファンの方に何かを届けたい」という気持ちが、私はより強くなりました。

SOYO:で、さらに深く考えたのは「Underground」(※2021年11月配信リリース)前の夏ごろ。その時期、私たちは表立った活動をしていなくて、@onefiveは今後どうするべきかについてすごく話し合ったんです。そこでやりたいことや目標が明確になりました。

GUMI:その期間は4人でも「どういうことをしていきたいか、どんなグループになりたいな」と話し合って。マネージャーさんたちにも今まで自分の思いを言っていなかったぶん、@onefiveのチームのみんなと思いを共有することでより自分たちのなりたい@onefive像がわかってきた気がしました。

ーー活動初期はメンバー同士で話し合ったりする意思疎通の機会はあったんですか?

MOMO:ありましたけど、レッスンの合間のお昼ごはんのときに「これやりたくない?」「ああ、わかる!」みたいに軽い感じのガールズトーク程度で。

KANO:ほかの誰かに伝えるというよりは、「やりたいよね~」ぐらいで自分たち止まりでした。

ーー先ほどMOMOさんから『まだ見ぬ世界』リリース時がコロナ禍まっただ中だったという話がありましたが、なかなかお客さんの前でパフォーマンスすることができなかった時期にモチベーションとなっていたものは何でしたか?

SOYO:「まだ見ぬ世界」のMVはそれぞれ家で自撮りしたので、私は家でも@onefiveのSOYOとして活動できていて、すごく楽しいなと思っていました。

GUMI:完成したMVについて新聞やテレビで取り上げてもらったことも、達成感につながったしね。

MOMO:ダンスの先生から「この期間はこれをやろう」という宿題も出たし。その課題がちゃんとできているか先生に動画を送っていたので、その頃もモチベーションは結構高かったんじゃないかなと思います。

GUMI:あと、インスタにストーリーを載せることでファンの方々の反応をお家で知れるのもうれしくて、モチベーション維持にもつながりました。

KANO:確かに。そういうSNSを通じてファンの方から声をいただくと、「もっと頑張りたい! このお休みが終わるときまでにこうなりたい!」という思いが芽生えてきたので、自分を磨くモチベーションになりました。

ーーこのコロナ禍の期間も、@onefiveはさまざまな楽曲を発表してきましたが、サウンドや歌詞など音楽面での@onefiveらしさはどういったところだと思っていましたか?

MOMO:カッコよくて洗練されたサウンドに、私たちと同い年のYURAちゃんという子が書いてくれた等身大の歌詞が乗ることで、聴いた人に寄り添うような、背中を押すような曲になるところが@onefiveらしさかなと思っていました。

SOYO:YURAちゃんは、私たちに「どんな感じの歌詞がいい?」とか「どういう曲にしたい?」「このときどう思う?」と聞いてから作詞してくれるので、私たちの思いがギュッと詰まった私たちらしい楽曲になっていると思うんです。

KANO:@onefiveの4人はみんな同い年の高校生なので、今しか感じられないこと、今しか語れないことを歌にして届けていくのが@onefiveらしいなと思います。

GUMI:サウンド的にも「Underground」でのカッコいい感じがあったり、可愛らしかったり優しかったりといろんな面があるんですけど、その中に@onefiveらしい洗練された感じーー例えば可愛い曲の中にも大人っぽい感じが混ざっているとかーーそういうバランスが私たちらしい音楽なんじゃないかなと思っています。

ーー今、GUMIさんが挙げてくださった「Underground」は@onefiveにとって大きな転機になった1曲だと思うんです。先ほどSOYOさんも昨年夏、「Underground」の制作前にスタッフさんと今後について話し合ったと言っていましたよね。

MOMO:その頃も漠然と「こういうのが@onefiveっぽいな」というイメージは心の中にはあったんですけど、具体的にというか深いところまでは考えたことがなくて。でも、そこで自分が思っていることを初めて掘り下げたら「じゃあこれは? こっちは?」と、いろんな選択肢が浮かんできたんです。そこからメンバー、スタッフさんみんなと話し合って、ようやく「これが@onefiveらしいんじゃないか」という答えが見つけられた気がします。

ーーその答えとは、どういったものだったんですか?

MONO:@onefiveってどこかしらに品があるなと思っていて。カッコいいけれどもパンチが強すぎず女性ならではの美しさがあったり、可愛い曲でもキャピキャピしているだけじゃなくて少し大人っぽい部分もあったり、そういう極端に寄りすぎないところが@onefiveらしいのかなと。

GUMI:「Underground」のタイミングにマネージャーさんが「思っていることがあったら言ってね?」と言ってくれたので、思っていることをそのまま伝えたんです。でも、自分たちも浅くしか考えていなかったから、「じゃあ、これはどう?」と質問されてもちゃんと答えられなくて。そういうことをちゃんと自分たちで説明できるように、満足いくまで話し合ったんですけど、途中でみんな「伝えたいのに伝わらない」と泣き出してしまったんですよ(苦笑)。

SOYO:ふふふ(笑)。

KANO:でも、そこで頑張った結果、今があるからね。

SOYO:そうだね。私はその話し合いに向けて、ほかのいろんな女性グループの映像をたくさん観て、私たちと違うところとか私たちらしさを見つけるために研究したんですけど、その話し合いの中で私が一番印象に残っているのが、「@onefiveは水なんじゃないか」という話で。水はどんな色にも染まれるし形も変えられるし、いろんな面を見せられるということが一番刺さりました。

ーーその結果、@onefiveが「大人に作ってもらった枠に収まる」という形から、皆さん4人のものであり、ひとつのチームのものという意識に変わったと。

MONO:はい。みんなでひとつ、ワンチームみたいな(笑)。

@onefive 「Underground」**Official Music Video**

ーーなるほど(笑)。その「Underground」ですが、サウンドも歌詞も冒険的ですし、楽曲の振り付けも皆さん自身で考案されたそうで、相当大きな変化ですよね。

MOMO:最初は一部分だけを考えるという話だったんですけど、(振り付けの)MARU先生が「全部やってみない?」って。それで、全部やることになりました。

ーー自分たちで振り付けを考えることは楽しかったですか?

全員:はい!

GUMI:もちろん今までの曲も振り付けには思い入れがあるけど、「Underground」は細かいこだわりもメンバーから直接聞いているので、自分たちの曲を踊ってるという感覚がより強くなりました。

KANO:サビ以外の部分は全部2人ずつ(MOMOとKANO、SOYOとGUMI)で考えて、お互いに考えてきた振りを発表しあったんですけど、「ああ、この歌詞でそういう振り付けも思いつくんだ!」という私が思いつかない振りや新しい発見も多くて。どう指先を使えばいいのか、どう足を動かせばいいのかに関しても改めて考えたし、今までの@onefiveの振り付けを改めて踊ったり見直したことで、振り付けが人に与えるすごさにも気づけました。

SOYO:めっちゃ成長した気がするよね。

MOMO:ここまで夢中になれたことも、初めてかもしれないし。

SOYO:だって、それまでって4人でもあんまり喋らなかったし。

KANO:あまり連絡を取らなかったしね。電話なんて4人でしたことなかったし。

GUMI:仲が良くて、お互いのことをよく理解しているから、逆に連絡しないし、話さなくても伝わってるし。

KANO:なのに、「Underground」をきっかけに4人で話すことも増えて、話す内容も変わった気がする。一段と仲が深まったなと思います。

全員:(拍手)

ーー(笑)。「Underground」は衣装やMVにも皆さんの意見が反映されているんですよね。

MOMO:はい。MVはこういうカットがあったら素敵じゃないかなということも、監督さんにアイデアを出させてもらって。

KANO:ライトもネオンのこの感じがいいとか積極的に意見を出したら、そのアイデアがそのまま反映されていて、私たちも感動しました。

ーーちなみに、MVのライティングや振り付けなどで参考にしたアーティストはいますか?

MOMO:Perfumeさんですね。先日もライブを観に行かせてもらったんですけど、一番身近にいる一番すごい人って感じで。本当に全部がカッコいいし、私たちの憧れの存在です。

SOYO:ライブでお客さんと一緒に手を挙げる振りがあったんですけど、それに影響を受けて、「1518」では参考にしました(笑)。

GUMI:ライブを観に行くたびに「私たちも絶対にあそこまで行ってやる!」って気持ちが強くなるし。

KANO: MCの回し方とかお客さんの盛り上げ方が本当にすごくて。

GUMI:観ている私たちもニコニコになるもんね。私たちもそうなりたい!

KANO:見習いたい部分しかないです。

ーーコロナ禍や「Underground」の制作期間を経て、お互いに変わったな、成長したなと感じることはありますか?

MOMO:これはほかの3人みんなに言えることなんですけど、今までは意見をあまり自分からは言わないタイプだったんです。私はもともと性格的にズバズバ言っちゃうタイプなんですけど、この期間に打ち合わせを重ねて、積極的に意見を言えるようになったのはすごく変わったなと思います。

SOYO:私はKANOが変わったなと思っていて。「Underground」の間奏のダンスを誰が考えるかとMARU先生に聞かれたときに、「私がやります!」と率先して手を挙げてくれて。そういう姿を初めて見た……というのは大げさなんですけど(笑)、すごいなと尊敬しています。

KANO:ありがとうございます(笑)。私はGUMIかな。以前は独り言みたいにボソボソ言うことが多かったけど、今はちゃんとメンバーに思いを伝えてくれたり、「こうしたほうがいいんじゃない?」と意見を言ってくれるし、しかもためになることばかりなので、そこで気づかされることもあります。私も見習わなくちゃなと思うところが多いです。

GUMI:MOMOちゃんが言うように、最初の頃は自分の意見が言えなかったので、MOMOちゃんが私たちの思いを代弁してくれていたんですけど、それに対して申し訳ないなと思っていたし、私たちも自分たちの口で伝えなくちゃなとは思っていたんです。そんな中、SOYOはマネージャーさんに対してちょっと感情的になるくらい自分の意見を伝えられるようになっていて。そこに男気を感じました。

MOMO:わかる! 男前なの。

KANO:いざとなったときに、すごく頼りになるんです。

SOYO:いやいや、そんなあ(笑)。

GUMI:そういう部分が見えてきたところは、変わったなと思います。

KANO:いつもはホワホワしているSOYOちゃんなんですけど、でも芯は一番強いんじゃないかな。

SOYO:……らしいです(笑)。

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