円神、怒涛の1年で洗練された個々のスキルとチームワーク 今こそ知ってほしいダンス&ボーカル力を徹底解説

円神、怒涛の1年での成長

 2020年に結成された9人組パフォーマンスユニット円神。「歌×ダンス×芝居」という新しいパフォーマンスを展開している。

 2020年に「ENJIN」を配信し、2021年2月10日には1st両A面シングル『Say Your Name/ENJIN』のリリースを皮切りにコロナ禍という状況でも勢力的に活動の幅を広げてきた彼ら。2022年1月19日には3rd Single『Far away』がリリースされた。これまでの活動を経て、今の円神の魅力が込められた1枚となっている。

怒涛の1年を乗り越えて強くなった

円神 - Far away (Official Video)

 2021年は1st両A面シングルのリリースからスタートし、舞台「円神プロデュース公演『幕末バトルサークル』」を開催。新型コロナウイルスの影響で一部上演中止は余儀なくされたが、無観客配信を行い、より多くのファンに届けた。結成1周年となる6月15日には初のワンマンライブ『円神Anniversary LIVE~First CIRCLE~』を行った。円神 Debut Stage 『nonagon~始まりの音~』や、無観客で行った舞台『幕末バトルサークル』での楽曲を披露するなど、エネルギッシュなステージを展開し、MU3E(円神ファンの総称)の心をより強くつかむこととなった。

 さらに、8月には2nd両A面シングル『Peace Summer / TREASURE』のリリース、10月、11月、12月にそれぞれワンマンライブを行い、着実に実績を積み重ねてきている。もともとさまざまなジャンルで活躍し、多様で個性的なメンバーが揃う円神。「Far away」は2021年の活動を経て、それぞれが個性を伸ばした一方で、グループとしての完成度にも磨きがかかっているのがわかる1枚となる。

「Far away」に感じられる、2022年の決意

瀧澤翼
中本大賀
草地稜之
宮里ソル
熊澤歩哉
中林登生
A.rik
中谷日向
山田恭
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瀧澤翼
中本大賀
草地稜之
宮里ソル
熊澤歩哉
中林登生
A.rik
中谷日向
山田恭
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 「Far away」は別れと出会いがテーマのミディアムバラードだ。歌詞自体もストーリー性が高いものとなっており、過去の別れと出会いを思い出している主人公が回想をし終え、“記憶”というアルバムを心の本棚にしまい、またここから歩き出す、というものだ。

 確かに歌詞を見ると、ラブソングのようにも、卒業の時期にもぴったりな曲にも感じられるが、円神とMU3Eについて歌っているようにも思えてグッと来るものがある。「今」にたどり着くまでが長い道のりであったことは間違いない。メンバーそれぞれが〈出逢っていなかったらなんて想像つかない 考えたくもない〉。彼らが出会って、ひとつのグループとして活動していることは奇跡だ。それはグループとMU3Eの繋がりにも重なる。

 思い出自体は美しいから、いつまでも浸っていたい。そんな想いを誰しも抱えるけれど、不安があっても進んでいくしかない。扉を開いていくしかない。期待を込めて。

 〈今日で またサヨナラだけど〉という歌詞もライブの時間、一期一会の瞬間を歌っているのか、などと考えてしまう。きっと、思い通りにいくことは少なかったデビューからの道のり。2022年はまた新たな、でも自分たちの道をしっかりと歩んでいくことへの決意表明であることも感じられる。

 さらに、感情豊かな歌声が歌詞に命を吹き込む。伸びやかな声には余裕さえも感じさせ、聴いている者に切なさだけではなく、不思議と安心感を与えてくれる。

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