SixTONES、カップリング曲から伝わる音楽を追求する姿勢 「FASHION」も新たな名曲に
3月2日リリースの6枚目のシングル『共鳴』表題曲を1月22日放送の『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)でラジオ初オンエアしたSixTONES。番組後半には『共鳴』の初回盤B・通常盤に収録されるカップリング曲「FASHION」も初解禁と、CDデビュー2周年の記念日にリスナーやファンに新曲を聴かせてくれる、音楽を愛するSixTONESらしいプレゼントが贈られた。今回は、新曲「共鳴」と「FASHION」を踏まえながら、SixTONESの隠れた名カップリング曲を紹介したい。
「共鳴」は、現在放送中のテレビアニメ『半妖の夜叉姫』弐の章(読売テレビ・日本テレビ系)1月クールのオープニングテーマに起用されている。前述のラジオで田中樹が、「仲間と一緒に困難に立ち向かっていく決意を歌った絆ソングになっております。音楽としてはロックとかジャズとかヒップホップとかいろんな要素が入ってるミクスチャー、疾走感もあるんですけどちょっとおしゃれ」と語ったように、強さと繊細さの両面を併せ持つ楽曲で、SixTONESらしい音楽性の高さをそのままに、アニメの世界観ともマッチする、まさに“共鳴”を感じる一曲。
「FASHION」については、田中が「俺はめちゃくちゃ好き」と言えば、髙地優吾も「俺も大好き! またSixTONESの新しい顔が出た」と、2人とも声を弾ませながら紹介していたのが印象的だ。6人の笑顔が浮かぶような歌唱で、心弾むポップソング。季節を取り入れた楽曲というわけではなさそうだが、春の到来、蕾から一気に花開く、弾けるような雰囲気を感じた。
シングル『僕が僕じゃないみたいだ』(2021年2月)初回盤Aに収録の「Strawberry Breakfast」の系譜を感じるポップな楽曲で、SixTONES公式サイトには、本楽曲について“世界中がキミのRunway!”と紹介されている(※1)。「Strawberry Breakfast」では“主演女優賞”をくれたSixTONESが、今度はごくありふれた日常が鮮やかに映るような、華やかなステージを用意してくれた。つくづく思うが、本当に理想的なパートナーである。
SixTONESは表題曲はもちろんのことカップリング曲にも大注目で、2ndシングル『NAVIGATOR』(2020年7月)通常盤に収録の「You & I」(作詞:ONIGASHIMA/作曲・編曲:Justin Reinstein)、「love u…」(作詞・作曲・編曲:TOMOKO IDA、TSUGUMI)の2曲は、シングル2作目にして只者ではない存在感があり、カップリング曲の選曲からもグループとして音楽を追求していく姿勢が伝わってきた。
3rdシングル『NEW ERA』(2020年11月)の期間限定盤収録曲「So Addicted」のラップ詞は田中樹が手掛けた。狂おしいほどに恋する心情を歌った楽曲で、カップリングでは表題曲の強さとは対照的に森本慎太郎の切なさを纏った歌声が。5thシングル『マスカラ』(2021年8月)でも、髙地は表題曲では曇りのある色気を含んだ歌声に対して、「フィギュア」(初回盤B、通常盤収録)では爽やかさと素直さが感じられる歌声が聴かせたりと、たった2曲で違った系統の歌声が聴ける。
歴代ジャニーズの系譜をたどると、R&BやHIPHOPなど音楽トレンドを意識した新たなジャンルの開拓をはじめ、ジャニーズ特有のユニークな楽曲や、才能溢れる若手のフックアップから有名クリエイターとのコラボレーションまで様々な挑戦が続けられてきたのがカップリング曲だ。より多くのリスナーに届く楽曲、耳馴染みの良さ、打ち出したい世界観等々、様々な点を考慮するであろう中でも、SixTONESは歌唱力の高さを誇る彼らゆえの選択肢の広さ、深さがあり、これまでとはまた違った角度で選曲している印象を受ける。リスナーの好みもあるだろうが、カップリング曲をエンドレスリピートしているファンも少なくないはず。