宗像明将のチャート一刀両断!

Aimer、自身2度目のシングルチャート首位獲得 自分だけの個性に染め上げる表情豊かなボーカルの魅力

 「朝が来る」の歌い出しでのAimerのボーカルは、ブルースを連想させ、さらに情念をも感じさせます。そして、冒頭から響くストリングスが非常にドラマティック。Aimerの歌声はそれに呼応するかのようであり、「残響散歌」と同様に1分未満でサビを迎えます。

 「朝が来る」でAimerが聴かせるのは、1音ずつに絶妙な余韻を残すかのような歌唱。卓越したボーカリゼーションです。

Aimer「朝が来る」MUSIC VIDEO(テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編エンディングテーマ)

 『残響散歌/朝が来る』を聴いて思い浮かべたのは、milet×Aimer×幾田りらの「おもかげ」でした。『THE FIRST TAKE』で2021年12月に公開された楽曲です。

milet×Aimer×幾田りら - おもかげ (produced by Vaundy) / THE FIRST TAKE

 Vaundyがプロデュースしたこの楽曲は、ソウルミュージックのフィーリングに満ちています。そして、Aimerは歌い出しを担当しており、まず低い音域で憂いを含んだ歌声を聴かせるのです。

 「おもかげ」でも『残響散歌/朝が来る』でも、いかようにも変化できるAimer。だからこそ『鬼滅の刃』の世界観にも対応でき、かつ『残響散歌/朝が来る』をAimer自身の個性を反映した作品に仕上げることができたのでしょう。

※1:https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=hot100

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