世界的大ヒットアニメ『Arcane』ストーリーとのリンク Imagine Dragons × J.I.D「Enemy」が描く葛藤

参照:https://spotifycharts.com/regional/global/weekly/latest

 Spotifyの「トップ50(グローバル)」は、世界的に最もストリーミング再生された曲をランク付けしたチャート。本連載では、同チャートを1週間分集計した数値のデータを元に、グローバルな音楽シーンの潮流をお届けする。第15回となる今回は、2022年1月6日公開(2021年12月30日~2022年1月5日集計)のチャートを見つつ、世界的大ヒットとなったアニメシリーズ『Arcane(アーケイン)』のメインテーマ曲「Enemy」について紹介する。

ザ・キッド・ラロイ「STAY」、1位に返り咲き

 クリスマスが終わり、上位を席巻していたクリスマスソングが一気にチャートから去った週。ザ・キッド・ラロイの「STAY」が、12月16日公開のチャートで1位を獲得したゲイルの「abcdefu」を抑え、再度1位となった。また、リリースから1年半が経っているGlass Animalsの「Heat Waves」が、3位まで浮上し、その根強い人気が伝わってくる。ディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』(原題::Encanto)のサウンドトラックに収録されている楽曲「We Don’t Talk About Bruno」が、先週の119位から100ポイントアップし、19位にランクインした。

The Kid LAROI, Justin Bieber – STAY (Official Video)
We Don’t Talk About Bruno (From “Encanto”)

世界的ヒットアニメ『Arcane』の壮大なストーリーを表現した「Enemy」

 大人気オンラインゲーム『League Of Legends』の世界を舞台にしたNetflixアニメシリーズ『Arcane』。2021年11月6日に全世界で公開されるやいなや、記録的大ヒットとなった。Imagine DragonsとJ.I.Dが務めたメインテーマ曲「Enemy」もSpotifyの「トップ200(グローバル)」に10週間チャートインしており、今週も7位を記録している。

Imagine Dragons x J.I.D – Enemy (from the series Arcane League of Legends)

 豊かな地上都市と貧しい地下都市の抗争、そしてとある事件がきっかけで切り裂かれた姉のヴァイと、妹のパウダー(後のジンクス)の戦いを描くアニメ『Arcane』。こちらのメインテーマ曲「Enemy」は、その壮大なストーリーを表現した楽曲となっている。Imagine Dragonsは、2014年にも『League Of Legends』世界選手権のテーマソング「Warriors」を務めている。「Enemy」に関して、ボーカリストであるダン・レイノルズはこのように語っている。

「Enemy」は、自分さえも信じることができない世界で、内心の葛藤を認識することについての曲だ。『Arcane』では、別々の道を歩んだ姉妹の存在が、街全体を破壊するような分断へと繋がっていく。アニメと同じように、個人的なものだけではなく、分断を生む社会を批判するものでもある。(※1)

 主に2つのコードで作られたシンプルな構成の楽曲であるが、そのシンプルさから生まれる自由さと、ダイナミックな感情は『Arcane』にぴったりだ。2ndヴァースには、J.コールが率いるレーベル<Dreamville Records>に所属する凄腕ラッパー、J.I.Dが参加している。彼は、イースト・アトランタ出身のラッパーであり、その韻の踏み方、言葉遊び、そして特徴的なフローでヒップホップファンの間で高く評価されている。彼は2020年に同レーベルメンバーとの楽曲「Down Bad」で、グラミー賞にノミネートされていた。(※2)



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