1年を経て蘇る『This is 嵐 LIVE』 映像作品を通して再体験する、5人からの21年分の感謝

 2020年12月31日20時、東京ドームから嵐のメンバー5人がでっかい愛を込めて最高のエンターテインメントをファンに届けたーー「ようこそ『This is 嵐 LIVE』へ!」。

 2021年12月29日にライブDVD&Blu-ray『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』が発売された。本作は、2020年の大晦日に生配信されたライブを収録したもので、初回限定盤には本編映像のほか、特典映像として「This is 嵐 LIVE behind the scenes -5人のいる景色-」が収録されている。

 この日を以て活動休止期間に入った嵐。映像には、1999年のデビューから走り続けてきた嵐の一つの節目となるライブ、そのすべてを余すことなく収めている。

"This is ARASHI LIVE 2020.12.31" Digest Movie

 ライブの始まりはまるで映画を観ているかのよう。ファンの想いと思われる光が、この日の会場である東京ドームに吸い寄せられるように集まる。ドーム内のど真ん中に設置された高い支柱、その上に輝くは大きなミラーボール。その中から姿を現す5人。嵐ならではの巨大なセットに負けることなく、堂々たる姿がそこにはあった。

 「We are 嵐!」、松本潤の叫びを合図にメンバーが声を重ね、弾けるような笑顔を見せたライブは「ワイルド アット ハート」からスタート。松本と大野智が肩を組んで楽しそうに歌う場面もあれば、隣のメンバーとアイコンタクトを交わし熱唱する姿など、オープニングから熱気を帯びたパフォーマンスを見せる。

嵐 - ワイルド アット ハート (This is 嵐 LIVE 2020.12.31) [Official Live Video]

 嵐はこの日を楽しむためにと、事前に『This is 嵐 LIVE みんなで準備だ!TV』と題した6分〜10分ほどの映像コンテンツを10本配信した。ライブの視聴方法からSNSアイコン素材の配布、コールや当日嵐と繋がることができる『MEETS CHANCE』企画など、無観客開催を踏まえ、櫻井翔進行のもとライブを楽しんでもらおうと入念な準備をしていた。

 会場には嵐を囲むようにリモート参加するファンの姿がいくつも映し出され、メンバーも時折その姿を見ながらファンサービスする場面も。制限があるなかでも、ファンを思う気持ちをアイデアを通して具現化する。彼らのこうした心遣いが、この日をより一層特別なものにした。

 「サクラ咲ケ」「SHOW TIME」「Party Starters」「言葉より大切なもの」と、アップテンポの楽曲で華やかなステージが続く。歌い踊る5人に華を添えるのはTravis Japan、HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍、IMPACTors、Jr.SPといったジャニーズJr.たち。そんなJr.たちの登場によって、さらにライブの華やかさが増していく。視聴者全員がライブ初日にしてファイナル。ステージセットやセットリストのネタバレもないなかで嵐が見せてくれる音や映像に、ただ身を委ねる状況にワクワクさせられた。

嵐 - SHOW TIME (This is 嵐 LIVE 2020.12.31) [Official Live Video]

 「ようこそ『This is 嵐 LIVE』へ!」と松本が先陣を切る。「今から俺らの21年の感謝を込めて、ありったけの想いをぶつけるから受け取ってくれ!」。続いて「いらっしゃいませ!」と叫ぶ二宮和也、お決まりの挨拶が心地いい。相葉雅紀は「ねえねえ、盛り上がってんの?」とこちらへ話しかける。手を振って登場した大野が「いけるのかい?」とマイクを視聴者へ向ける仕草も可愛らしい。櫻井が「調子はどうだい?」と言えば、ファンも笑顔でペンライトを掲げる。それぞれの挨拶で盛り上げ、メモリアルなステージはさらに濃密な時間となっていく。

 前述したミラーボール含めたこの日のステージセットには、スケールの大きさはもちろん、細やかな演出などが隅々まで張り巡らされている。「言葉より大切なもの」では、LEDパネルにファンの姿が大きく映し出される。立ち上がってペンライトを振る小さな女の子もいれば、友達同士、ファミリー、うちわとペンライトを両手で振る人まで、離れていても盛り上がる・盛り上げるファンのパワーを取り入れた演出だ。

 嵐のライブ特有の巨大モニターにはネオンサインをはじめ、大きなロゴが出現。また「GUTS!」ではファンのダンス映像に加え、〈常識なんて吹き飛ばせ〉というフレーズに合わせて文字が崩れたり、振り付けに合わせてカラフルなボールが飛んだりと楽曲とリンクしたダイナミックな演出が散りばめられていた。メンバーの表情、ダンス、演出……見たいポイントがたくさんあって忙しい。

 また、がらりと雰囲気を変えた「いつか秒針のあう頃」のパフォーマンスでは、照明を落とし衣装もチェンジ。先ほどまでのポップでハッピーなステージとは打って変わり、大野の伸びやかな歌唱とダンス、櫻井のラップなど、嵐のクールな一面を見せる。しなやかかつ激しい緩急あるダンスで魅了する“大人”なステージは、嵐の多面的な活躍が窺えるパートだった。

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