LiSA、観る者を惹きつけた「明け星」「白銀」パフォーマンス 年末出演の音楽特番から考える

 ちょうど1年ほど前、“「2020年、大きく飛躍したアーティストは?」と聞かれたら私はLiSAを思い浮かべる”と書いた記憶があるが、今年もLiSAから目が離せなかった(※1)。

 2021年のLiSAは、ソロデビュー10周年を記念したミニアルバム『LADYBUG』に加え、3枚のシングル(『dawn』『HADASHi NO STEP』『明け星 / 白銀』)と配信シングル「往け」を発表。『鬼滅の刃』シリーズに『ソードアート・オンライン』シリーズと縁の深いアニメ作品との再タッグもありつつ、『プロミス・シンデレラ』のような地上波ゴールデンプライム帯のドラマ主題歌も歌うなど、幅広い活躍を見せた。また、ライブを大切にしてきたアーティストだけに、全国アリーナツアー『LiVE is Smile Always~LADYBUG~』を開催できたことは彼女にとって嬉しい出来事だったはず(LiSAにとってはコロナ禍になってから初の有観客ツアーだった)。12月20日に放送された『CDTVライブ!ライブ!クリスマス4時間スペシャル』(TBS系/以下『CDTV』)出演時には「みなさんに直接会って大切な曲を届けられた1年でした」と振り返った。

 充実の1年の締め括りとして、この年末には様々な音楽番組に出演しているLiSA。12月1日に放送された『2021 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、12月24日に放送された『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE2021』、そして先述の『CDTV』で「明け星」を歌唱。加えて『CDTV』では「白銀」も歌唱した。梶浦由記の作詞・作曲・編曲による「明け星」は、梶浦の“節”が効いたミステリアスかつ粘度のあるメロディにハードロックサウンドを掛け合わせた曲調が新鮮で、LiSAの10年の豊富なディスコグラフィをもってしても‟これまでになかったタイプ”としか言いようのない曲だ。もしかしたら彼女自身にとっても新しい扉を開いたような感覚があったかもしれない。しかし、地声とファルセットをひらひらと切り替えながら(LiSAはこの切り替えが尋常ではなくスムーズである)、しなやかにあのメロディを歌うLiSAは完全に「明け星」という曲を自分のものにしていた。また、表情や視線の運び方、身体の動かし方などからも伝わってくる曲の世界に“入っている”様も観る人を惹きつけるもので、広大な景色が浮かぶサウンドが印象的な転調の激しい「白銀」も披露した『CDTV』では特に曲ごとの違いが分かりやすかった。

 12月31日には『第72回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)と『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ2021→2022』(TBS系)に出演するLiSA。『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ2021→2022』では「明け星」を歌唱。『第72回NHK紅白歌合戦』ではトップバッターの大役を務め、「明け星」を歌うだけでなく、3つのゲーム・アニメ作品をフィーチャーした企画「カラフル特別企画 ~明日への勇気をくれる歌~」内で「炎」を歌唱するとのこと。「炎」は2020年10月に発表された曲だが、この1年でのLiSAの成長はすさまじく、先日日本武道館でのライブを観た際にも、今のLiSAが歌う「炎」の凄みを体感したところだ。こちらのパフォーマンスにも期待したい。

※1:https://realsound.jp/2021/01/post-687431.html

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