いきものがかり 吉岡聖恵、秦 基博と作り上げた「まっさら」 自らをさらけ出した歌詞で伝える未来への思い

 12月22日、いきものがかり・吉岡聖恵がソロとして初めてリリースしたシングル『まっさら』。タイトルの通り、吉岡にとってまっさらな「もう一つのスタート」となる表題曲には、吉岡らしさと新たな一面、そして未来へのときめきが詰まっている。

 作曲を担当したのは、かねてから親交の深い秦 基博。吉岡からのオファーにより、共作が実現した。制作が始まったのは今春。秦は、吉岡が考えていることや曲にしたいことをはじめ、実にいろいろなことを聞いたという。それは、吉岡がこれまであまり聞かれたことのない「自分のなかの物語」だったといい、生い立ち、なぜ歌うのか、いきものがかりが“放牧”に至った経緯までも広く深く秦と話しながら、「どういう経緯でどういう表現をしたいか」を確かめながら制作を進めた。

吉岡聖恵 × 秦 基博 Talk about "まっさら" short ver.(「まっさら」のはじまり)

 作詞を担当したのは、吉岡聖恵自身だ。「ソロとして初めてオリジナルの作品を作るにあたって、このまっさらな状態で飛び出していくんだ、新しいことにも挑戦していくんだという前向きな気持ちも、ある種怖い気持ちも書いてみました」と語っているとおり、きっと正直に綴られたのであろう言葉たちは多くのリスナーが共感できるもの。誰もが〈「誰か」じゃない「私」だけの デコボコな物語〉に自らを重ねることができるはずだ。

吉岡聖恵「まっさら」Music Video

 そして、ミュージックビデオが実に美しい。青い海、広い空、さらさらとした砂ーー真っ白な衣装は、風を受けて羽根のように広がる。真っ青な空に白い文字で「まっさら」と綴ったシンプルなタイトルバックに至るまで、そこには美しいものしか存在しない。歌い出し、ハッと視線をあげるような仕草が印象に残った。吉岡にとって、始まりの瞬間であることを感じた。

 そして吉岡の歌声、その優しさに驚く。いきものがかりのボーカリストとして、芯のあるパワフルな歌声でリスナーを元気づけてきた吉岡。ソロとして初のオリジナルソングでは、力強くもまろやかで、穏やかな歌声を聴かせている。ときに微笑み、ときに曇らせ、豊かに歌う表情にも惹き込まれる。どんなときも、希望を見つめ続ける瞳は清くまっすぐだ。

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