AKB48、新たな“組閣“は前向きな変化の兆し? 過去の事例から考える今後の行方

 数多くのファンやメンバー当人も混乱させる組閣。果たしてそこにどんなメリットがあるのか。田辺氏は以下のように答える。

「個人的には、AKB48グループ内でのチーム移籍については、マンネリ化を防ぐためにも良いですし、また各自の実力や人気の成長に合わせてチームを振り分けバランスをとっていくのは、AKB48全体のためになると考えます。しかし姉妹グループへの移籍は、そのメンバーのファンにとっても一大事。ただ、過去のAKB48のドキュメンタリーを観ていても、海外移籍組はそれを前向きに捉えていました。何年もやっていると自分のなかでは限界が見えてくるなかで、心機一転という気持ちになれるのかもしれません」

 これまでAKB48グループにとって組閣は、ネガティブな要素も含めて1つのエンタメコンテンツとなっていた。それが最新の組閣ではポジティブなものとして昇華され、AKB48の今後を見据えたような組み替えがなされている。

根も葉もRumor Dance Ver. / AKB48 58th Single【公式】

 では、2022年以降、今回の組閣がAKB48にどのような変化をもたらすのだろうか。田辺氏は現在総監督を務め、新たにチームAのキャプテンに就任した向井地美音を軸に以下のように語る。

「今回の組閣を経て、ようやく向井地美音総監督体制の本当のスタートだと思います。新型コロナの影響で向井地自身、身動きを取りたくても、何もできなかった。この組閣は、新しいAKB48を印象付ける絶好の機会です。また、この組閣はAKB48としても、ファンに向けた『2022年は大きく動く』という意思表示であると感じます。まだまだ新型コロナに阻まれるものがあり、クリアすべきものが多いですが、それでも工夫を凝らした形での『選抜総選挙』の開催も期待できそうな気がします」

 新たな組閣が発表された『AKB48劇場16周年特別記念公演』では、この他にも来年2月に東京ガーデンシアターで新春コンサートを行うこと、さらに17期生オーディションの開催も決定した。2月のコンサートでは、現チームでの最後のステージと新チームでの最初のパフォーマンスが行われるという。未だ予断を許さない新型コロナの猛威のなか、可能性を広げ始めたAKB48の今後に期待したい。

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