KAT-TUNメンバー分析 第3回:中丸雄一、信念を曲げない強い意志 独自の活動の裏で人一倍ファンを思う姿勢
今年でデビュー15周年、先日『第72回NHK紅白歌合戦』への初出場が決定したKAT-TUN。改めてメンバーそれぞれの活躍と魅力を振り返ってみたい。第3回は中丸雄一。
KAT-TUNにおいて、中丸はもっとも読めない、いまだその全貌がつかめない男である。世間が抱くイメージと、ファンが知る中丸、そして中丸雄一の本質、すべてが異なるようにさえ思う。しかしその“分からなさ”こそ、中丸の最大の魅力なのかもしれない。
1998年、亀梨和也と同日にジャニーズ事務所に入所。同い年の上田竜也とは、ジャニーズJr.時代、『ザ少年倶楽部』)内でのゲーム企画にコンビ「ロバ丸」として出場、トーナメント戦を勝ち抜き優勝した。以来、シンメおよびコンビとして定着。約20年の月日が流れた今なお、隣にいる。
中丸の特技といえばヒューマンビートボックス。技術そのものの大衆認知が高まり始めた初期から取り組んでいたため、番組出演の際には度々フィーチャーされた。もちろん、KAT-TUNのパフォーマンスにおいても重要なスパイスだ。ラップとヒューマンビートボックスという要素を楽曲と融合させたことこそ、KAT-TUNが唯一無二のアイドルである要因の一つだろう。
ステージに立てば一種異様なオーラと、クールでブラックな存在感を放つ中丸。その姿は「帝王」とも評されるが、丁寧にマイクを持ち、真剣な表情で音と向き合い、正確にビートを刻むさまには、人柄が表れている。低音のラップと甘い歌声のギャップも、魅力のひとつである。
「器用な常識人」。世間が中丸に抱くイメージではないだろうか。やはり、コメンテーターを務める『シューイチ』(日本テレビ系)の影響は大きい。誠実な姿勢と等身大の言葉は好感を呼び、その親近感も相まって幅広い世代に受け入れられた。
だが、それはあくまで中丸雄一の入り口にすぎない。その先ーーアイドルとして、クリエイターとしての中丸こそ、まさに深淵だ。
24歳で大学の通信課程に入り、仕事の傍ら5年で卒業。興味のあることは次々と実行し、必ず何らかに繋げていく。そしてやるべきこと、やろうと決めたことは基本的に曲げない。ポジティブな意味での「頑固な男」だ。ステイホーム期間中に毎日更新し続けた4コマ漫画からもその姿勢は伝わるだろう。「継続は力なり」「不言実行」を、中丸は体現し続けている。
最近は「ジャにのちゃんねる」の編集作業を担い、その本格ぶりも話題だが、中丸のクリエイティブな一面とそのこだわりようは、ファンには周知のところ。特典映像の企画や監修、グッズ制作にも携わり、ユニークな発想でファンを楽しませてきたKAT-TUNのアイデアマンだ。中丸はその手腕によって、KAT-TUNの王道とギャップを巧みに使い分ける。
2008年にスタートした舞台『中丸君の楽しい時間』では、自ら構成・演出を手がけ、中丸のやりたいことや興味のあることを「楽しく」届けている。2020年開催の第4回では配信も行われ、KAT-TUNの楽曲リミックスや、「S-1グランプリ」(マネキンにストッキングを履かせ脱がせるチャレンジ)、影絵など幅広く濃い内容で楽しませた。