華原朋美、壮絶な人生を経た再ブレイク劇 栄光から転落、どん底から這い上がった強みとは?

 自虐的な笑いにしていた体型については『アウト×デラックス』のダイエット企画としてプラスな話題に変えたほか、息子のためにフェラーリを買うなど、今でも金銭感覚のズレたところも含めて独自のキャラを確立。それが悲壮感がなく面白いと思わせるのは、無理してキャラ作りをしていないことが大きい。勝俣州和の「勝俣かっちゃんねる」で、“今の自分が元々の私で(以前は)朋ちゃんを演出していた、全てをさらけ出したかった”と語っているが、今や番組で下ネタも平気で言うなど、本当の自分が出せているようだ。

 ただ、赤裸々トークは芸能人にとっては諸刃の剣。勝俣やYouTubeチャンネル「日経テレ東大学」でのひろゆきと対談を見ていると、しっかり相手の話を聞いて、自分の正直な意見をぶつけられる華原には好感を持てるし、その歯に衣着せぬ物言いには芸能界の新たなご意見番の誕生を予感させるが、時折その奔放さにはヒヤヒヤする視聴者も少なくないだろう。

華原朋美『ALL TIME SINGLES BEST』

 そして、華原の最大の持ち味は、やはり歌声だ。40代後半になっても当時の歌を原曲キーで歌えるほど衰えない歌声を持つアーティストは珍しい。ふくよかになったことで原曲キーで歌えるようになったと『アウト×デラックス』では語っていたが、その背景には必ず努力があったことだろう。カラオケ番組などに出演した際は、そのぶっちゃけキャラのイメージと裏腹に、歌い出すと全盛期以上の歌声を聴かせるギャップに感動させられる。『アウト×デラックス』で転んでも歌い続ける姿や、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)で、どんなシチュエーションでも手を抜かない姿は、歌に対してのプロ意識の高さを感じる。どんなキャラになろうと、どれも歌に繋がる前振りとなり、その歌声に「さすが朋ちゃん!」と誰もが納得する。トークで笑って、歌で感動する“華原スタイル”が確立された。

 90年代音楽バブルの絶頂を体験し、これまでの栄枯盛衰の物語は誰も知るところ。だからこそ、マツコも「本物は恐ろしい」と言っていたが今の華原は無敵状態に近い。これまで再浮上のきっかけが何度もあったものの、いずれもいい結果には結びつかなかった。しかし今は、子供と敏腕な夫の支えが手助けとなり、人間味あふれる朋ちゃんになっている。この再ブレイクの波に乗って、朋ちゃんスマイルが絶えない人生を送ってほしい。

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