葛葉、メジャーデビューの決意を宣言した夜 ファンへの感謝に溢れたバースデーイベントレポ
ゲーム配信や歌ってみたなどの活動で圧倒的な支持を集める男性VTuber・葛葉。初のソロイベント『Kuzuha Birthday Event「Scarlet Invitation」』が、誕生日当日の11月10日にZepp Haneda(TOKYO)で行われた。誕生日を祝うべく、会場にはドレスコードである赤を身に纏ったファンが多く集い、イベントの様子はニコニコ生放送でも同時配信された。
カウントダウンとキービジュアルが活かされたOP映像で真紅の世界に誘われると、ステージ中央にお馴染みのジャージ姿で葛葉が登場。「アカシア」でイベントの幕が開いた。大きく手を広げながら曲の世界観を伝えようとする姿が印象的だ。「曇天」では、「Zepp! 俺、今めちゃめちゃ緊張してるけど盛り上がっていくぜ、よろしく!」とシャウト。激しい曲に合わせステージを左右に大きく使って煽り、会場の温度を一気に上げる。続く「V.I.P」で今回のイベントのキービジュアルで披露されていた衣装にチェンジし、観客を沸かせる。葛葉本人のキャラクターと楽曲の世界観がマッチした、力強いボーカルを聴かせた。
MCでは、普段の配信でお馴染みの軽妙なトークで楽しませた。会場はもちろん、ネット配信で観ているファンへの呼びかけも欠かさず、観ている全方位を気遣う優しさを見せるあたりがトップVTuberらしい。衣装やステージのセットを紹介したり、AR演出の説明などステージを作る要素を丁寧に語り、リアルなライブならではのホスピタリティを見せる。
本人も「歌っていて楽しかった」という「脳内革命ガール 2016ver.」では、難曲を軽やかに乗りこなしつつ、パントマイム風のコレオグラフィーで魅せる。そしてファン待望の「KING」。歌ってみた動画では2810万回再生という脅威の数字を叩き出した一曲だ。クラシックなデザインの椅子に座る姿は王者そのもの。葛葉自身が「俺をさらに飛躍させてくれた曲、思い入れが強い」というだけあり、会場の盛り上がりは最高潮に達する。
「サリシノハラ」では原曲の持つ不安定さや切なさを、葛葉流に表現することでポテンシャルを発揮。「スパークル」も、伸びやかなボーカルで名曲を見事に歌い上げ、会場はその美しさに酔いしれる。「優しく歌う、というのに挑戦してみた」と本人が語る通り、ボーカリストとしての新たな一面を見せた。爽やかな高音を響かせ、持っている引き出しの多さを感じさせた「SHAMROCK」で、前半パートは終了。
イベント中盤では、VTuberとしてのトークスキルやゲーマーとしての魅力を堪能できるバラエティコーナーが設けられた。
「葛葉思い出クイズ」という葛葉に関する10問では、会場やニコ生視聴者も参加しながら答えを出す全員参加の形が取られ、思い出を振り返りながらのエピソードトークを交えた楽しい時間となった。
「体力向上リズムゲーム」では、にじさんじの楽曲「虹色のPuddle」に合わせて鐘を鳴らすという、その名の通り体力を使うゲームで会場を盛り上げた。生でゲームを楽しむ姿を、優しくあたたかい雰囲気で見守るファンの姿が印象的だ。
後半のライブパートに入るタイミングで、スタッフから用意されたキービジュアルをあしらった誕生日ケーキが登場。サプライズに本気で驚き喜ぶ表情が、AR技術によってさまざまな角度からモニターに映し出されると、ファンからも大きな拍手で誕生日が祝われた。
お祝いムードののち、満を辞して披露されたのは初のオリジナルソング「コントレイル」。全身で気持ちを伝えるような熱唱パフォーマンスに、葛葉のアーティストとしての表情を強く感じさせる。