スフィア&TrySailが声優音楽シーンに与えた影響とは? DJ和、ミト、冨田明宏らが<ミュージックレイン>を巡って大激論

スフィア&TrySailの功績

「TrySailでこんなに混戦するとは思わなかった」(ミト)

TrySail 『adrenaline!!!』-Music Video YouTube EDIT ver.-

冨田:次も一つ大きな山である、人気ユニット。この業界でも欠かせない3人組、TrySail。多数票が入っているのが、「adrenaline!!!」、「High Free Spirits」、「whiz」、「Sunset カンフー」です。

ミト:「Sunset カンフー」がここまで入ってるのは、僕個人的には、一ファンとして、この人たちマジでちゃんと聴いてんな!っていう気にさせられる(笑)。

冨田:やっぱりライブの印象が強いんですけど、ライブでお客さんたちが本当に楽しそうにしている感じと、皆さんの声でMVが作られたという背景も考えると、愛が詰まってるから僕も選びました。

 まず、「adrenaline!!!」に関しては、皆さん当然頭に浮かんだ、というところですよね。あとは「High Free Spirits」と「Sunset カンフー」が3票ずつ。「High Free Spirits」は、ライブの印象がすごく強くあって。『リスアニ!LIVE』でMCをしていて、TrySailが毎年ビッグになっていくのを日本武道館で見ていたんですけど、もう本当にこの辺の曲から、汗びっしょりかきながらパフォーマンスしている3人と、それに全力で応えようとしているオーディエンスの皆さんとの、燃え上がるような関係性をずっと見ていたので選びました。

ミト:皆さんが汗だくになって、若さを謳歌している楽曲なわけですよ。そこは僕も異論はない。一つあるとすれば、渡辺翔くんとTrySailの関係性がすごく好きで。TrySailのコマーシャル的なものとして、前半〜中期は渡辺翔くんという作家の協力もあったのかなと。そこが入ったらいい気もするんだけど、「Sunset カンフー」のキャッチーさも捨てがたい。

冨田:ちょっと松原さんの意見を聞きたい。松原さんはTrySailに対する愛情がひときわ深いんですよね。

ミト:このリストをあげたときに、「あ、この人ガチやな」と思わせてしまう感がすごい(笑)。

松原:ライブで一緒になれる曲も入れたいが、そうじゃない曲も入れていきたい。TrySailの歴史を踏まえて、ライブでアガる曲が「High Free Spirits」、「adrenaline!!!」、「Sunset カンフー」という3曲で、僕は「adrenaline!!!」を選んだんですよね。選んだ理由は、今はライブでのコール&レスポンスが完成されていますけど、最初にやっていた時はコール&レスポンスが出来ていなくて。『TrySail Second Live Tour “The Travels of TrySail”』のツアーを通している間に、あのスカっぽいリズムが完成されていったんですよ。ファンとTrySailが一緒に創り上げたと考えるには、「adrenaline!!!」が1番いいんじゃないかと。

 最初の「Youthful Dreamer」も外したくない。TrySailは1stアルバム『Sail Canvas』から『TAILWIND』と出たときに、同じグループとは思えない程、楽曲の雰囲気が違っていて。そういう意味でも「Youthful Dreamer」の頃のアイドルっぽいTrySailも入れたい。「Youthful Dreamer」はタイアップ曲でしたが、その力だけではなく、デビューシングルで、TrySailだから、あれだけ売れた。デビューシングルで、おかしな枚数なんですよ。当然、スフィアの後輩という期待感もあったんですけど、この販売枚数をデビュー1枚目で売るのはすごいことだなと。あと年代で追っていくと、『劇場版 ハイスクール・フリート』のタイアップ曲「Free Turn」がデビュー5周年を迎える直前の曲で。この映画の内容が次のステップに行くというものだったので、曲も5周年以降のTrySailの未来と成長を感じさせるものになっているので選びました。

冨田:むちゃくちゃ筋が通っているし、熱いですね。だから、TrySailに関しては、3人の話もそうですし、グループの話になっても、おそらく松原さんが武闘派になると(笑)。

松原:武闘派じゃないです……(笑)。

ミト:でも、アップダウン両方の側面を持つというTrySailは、確かにプレゼンしたくなるんですよ。

冨田:その観点でいうと、「adrenaline!!!」と「High Free Spirits」は入れようじゃないかと。3曲目で、今の話だと僕も「Youthful Dreamer」に票を入れたくなった。その観点から、ミトさんが言っていたのが、渡辺翔の「whiz」。色川さんも「whiz」に入れていますが、選んだ理由を知りたいです。

色川:私は、TrySailともそこそこ長くお仕事させてもらってるので選べなかったんですけど、3人の初々しさや可愛さ、関係値が伝わる曲を考えて選びました。この3人って本当に仲がいいんですよね。ライブでも3人が笑顔で歌っていることがお客さんにとってファンサービスになるというか。めちゃくちゃエモい。

松原:わかります! 3人にイチャイチャしていてほしいんです!

ミト:もう発言が前のめりすぎて(笑)。

色川:3人が三角形を作って何かをしている、それを外野が見ていて幸せ、というのが、たぶんTrySailにはあって。それで私は「この幸せが夢じゃないなら」を入れましたが、そういう意味でいうと「whiz」も補填しているなと。

冨田:仲のよさで言ったら、本当に皆さん忙しいだろうに、それぞれのソロライブに絶対メンバーがいますもんね(笑)。絶対見に来てる。

色川:そんな3人がラジオの打ち合わせの時に、「この幸せが夢じゃないなら」について「本当にエモいよね」「すごくいいよね」って言っているのを聞いていたので、入れたかったんですけど。なんせ松原さんの愛が強すぎるので、どうしよう!って(笑)。

ミト:まさに「whiz」でいう、〈わからない わからない〉って(笑)。

冨田:和さんはどうでしょう?

DJ和:僕がDJをやるような現場で、<ミュージックレイン>の中でど真ん中で盛り上がるのが、TrySailなんですよね。その中でも「adrenaline!!!」と「High Free Spirits」、「Sunset カンフー」はTOP3みたいな感じなんです。シングルは出たらすぐDJがかけたがる、みたいなのがあるんですけど、「Sunset カンフー」は時期に関係なく、DJの中でも流行っていた感覚があります。

冨田:わかります。まさに、僕も同じ観点で「Sunset カンフー」を選んでいるんですけど、さぁ、「Youthful Dreamer」か「whiz」か「Sunset カンフー」か、今日初の多数決で決めますか(笑)。

ミト:彼女たちのカラーとポピュラリティを繋ぎ合わせた流れでいうと、「High Free Spirits」と「Sunset カンフー」は、全然ありな気がします。逆に「adrenaline!!!」の要素を別の曲に持っていくのはありなのかな。それこそ「Youthful Dreamer」だったり。僕も松原さんの意見にすごくシンパシーを感じるところがあって、それはかわいさというか、あどけなさ的なもの、そこはやっぱり彼女たちのキュートな側面で。「Sunset カンフー」は、表情を見るというより、アンセムを聴くモードなんだよね。パーソナルを聴くという曲が、1個あってもいいかなと思うので、「whiz」と「Youthful Dreamer」はどこかで入れても……。

松原:和さんのことを考えずにいうと、僕は、「あかね色」を入れたいんですけどね。

ミト:あー! そっちか!

冨田:なんとなく「adrenaline!!!」と「High Free Spirits」は、皆さんが直感、熟考して選んでいただいた中にも入っていたから、(決まりで)いいのかなと。「whiz」「Youthful Dreamer」「Sunset カンフー」はどうしましょうね。全部いい曲ですし。

松原:このままいっちゃうと、なんの変化球もないですからね。ストレート3本、直球いくぞって。

冨田:そうなんですよね。だから、ここは、「Youthful Dreamer」対「whiz」で多数決が、僕はいいんじゃないかなって。

松原:今その2曲でずっと迷ってました。

ミト:すごいな! TrySailでこんなに混戦するとは思わなかった。あんなに平和な3人なのに、大人たちが頭抱えて。そんなに翻弄させるグループでしたっけ?(笑)

冨田:どれが選ばれてもたぶん異論はないと思うんですよ。なので、あえてこの場では、ということで選んで頂きたいのですが。じゃあ、「Youthful Dreamer」だという方、手を挙げてください。

(「Youthful Dreamer」に3票が入る)

ミト:うぉー! 決まった!

冨田:じゃあ、今日初の多数決の結果、「Youthful Dreamer」に。

ミト:でも、全然ありです。1枚目というのはいいですよ。

冨田:やっぱり、揺るぎない王道としてのスフィアがいますけど、TrySailは今や本当にスフィアに肉薄するぐらいビッグな存在になって。そう考えると、最初は大事だよなって。

ミト:お姉さんユニットと妹ユニットという呼び方から、いい意味で綺麗にバトンし始めているような感じに最近見えてきましたね。

(後編へ続く)

※選曲会議時から収録曲に一部変更があります。

『ミュージックレイン・オールスターMIX ”バイブル” mixed by DJ和』

■リリース情報
『ミュージックレイン・オールスターMIX ”バイブル” mixed by DJ和』
アーティスト:Various Artists
発売日:2021年11月3日(水)
定価:¥3,300(税込)
収録曲数:38曲

<収録内容>
01. スフィア「Future Stream」
02. 寿 美菜子「save my world」
03. halca「キミの隣」
04. HoneyWorks「東京ウインターセッションfeat.瀬戸口優・
榎本夏樹・望月蒼太・早坂あかり・芹沢春輝・合田美桜(CV:神
谷浩史・戸松遥・梶裕貴・阿澄佳奈・ 鈴村健一・豊崎愛生)」
05. 高垣彩陽「Lasting Song」
06. LIP×LIP「ロメオ」
07. 戸松 遥「motto☆派手にね!」
08. 麻倉もも「パンプキン・ミート・パイ」
09. 雨宮天「PARADOX」
10. 寿 美菜子「black hole」
11. halca「センチメンタルクライシス」
12. mona「ファンサ」
13. HoneyWorks「ヒロイン育成計画
feat.涼海ひより(CV:水瀬いのり)」
14. 夏川椎菜「クラクトリトルプライド」
15. CHiCO with HoneyWorks「プライド革命」
16. 雨宮天「Skyreach」
17. スフィア「MOON SIGNAL」
18. 豊崎愛生「Dill」
19. 高垣彩陽「Futurism」
20. halca「キミがいたしるし」
21. 麻倉もも「明日は君と。」
22. CHiCO with HoneyWorks「決戦スピリット」
23. TrySail「High Free Spirits」
24. 寿 美菜子「I wanted to do」
25. 豊崎愛生「春風 SHUN PU」
26. 麻倉もも「ユメシンデレラ」
27. 夏川椎菜「パレイド」
28. 雨宮天「Regeneration」
29. 高垣彩陽「光のフィルメント」
30. 戸松 遥「courage」
31. HoneyWorks「初恋の絵本 feat.合田美桜(CV:豊崎愛生)」
32. 豊崎愛生「それでも願ってしまうんだ」
33. 戸松 遥「Q&Aリサイタル!」
34. TrySail「adrenaline!!!」
35. スフィア「Now loading…SKY!!」
36. CHiCO with HoneyWorks「世界は恋に落ちている」
37. 夏川椎菜「ファーストプロット」
38. TrySail「Youthful Dreamer」
※収録内容、曲順は一部変更になる可能性がございます。

★本商品の更なる情報はこちらから!
https://twitter.com/musicraynCD2021

【@Loppi・HMV限定セット】 アクリルスタンド(複製サイン入り)付 
定価:¥4,800円(税込)
収録アーティスト(寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生、麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜、CHiCO、halca、 HoneyWorks、LIP×LIP、mona)の複製サイン入り!
「ミュージックレイン・オールスターMIX “バイブル“」に相応しい特別なグッズとなっております!

Loppi・HMV限定セットは、オンラインサイト(HMV&BOOKS online)、ローソン・ミニストップ店頭のLoppi端末、および全国のHMV店舗にてご購入いただけます。
なくなり次第終了となりますので、ぜひお早めにご予約下さい!

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■応援店
オリジナルポストカード(応援店 ver.)
※対象店舗は後日更新。

【DJ和氏・選曲者 プロフィール(敬称略)】
DJ和
2008年「J-ポッパー伝説」のリリース以降、J-POP/アニソンにこだわり、今までにリリースしたCDの累計が195万枚を突破。
日本の音楽を世界に伝道するJ-POP DJの第1人者。
代表作は、「ラブとポップ」「J-アニソン神曲祭り」「平成アニソン大賞」があり、
関ジャニ∞のBEST ALBUM 「GR8TEST」をはじめ、数多くのアーティストのMIX CDも手掛けている。

mito(ミト)
1975年5月6日生まれ。東京都出身。
クラムボンのバンドマスターとして、ベース、ギター、キーボード他を担当。デビュー以来クラムボンのほとんどの楽曲はmitoによるものであり、
自身のバンド以外にも、楽曲提供、演奏参加、プロデューサー、ミックスエンジニアとして
多くのミュージシャンを手がけるほか、映画やTV、アニメなど幅広く楽曲制作を行っている。
http://www.clammbon.com

冨田明宏(とみた あきひろ)
1980年生まれ。千葉県出身。タワーレコードのバイヤー時代に音楽ライターとしてデビュー。
2006年に音楽評論家として独立。特にアニメ音楽評論の分野で多数の評論/批評を執筆し、ラジオ・パーソナリティーとしても活躍。『アニソンマガジン』『リスアニ!』ほか数々のアニメ音楽誌の創刊に携わり、現在も『クイックジャパン』『リスウフ♪』他でアニメ音楽に関する連載を執筆。 テレビ出演は『マツコの知らない世界』(TBS)『めざましテレビ』(フジテレビ)『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)『お願い!ランキング』(テレビ朝日)『music る TV』(テレビ朝日)ほか。 ラジオ・パーソナリティとして『ANISON INSTITUTE 神ラボ!』(文化放送)『NEXT-RAD ~超発掘!尖ったキッズたち~』(ニッポン放送)『花ラジちば』(NHK FM)ほかに出演中。 音楽プロデューサーとしてClariSや黒崎真音を発掘。現在は声優の内田真礼、飯田里穂、H-el-ical//などの音楽プロデュースを担当。数々のアニメ主題歌や劇伴、アーティスト・プロデュースを手掛ける。獨協大学 特別講義『ロックとメディア社会』を10年以上にわたって担当。
『平成アニソン大賞』『令和アニソン大賞』選考委員。

色川奈津子(いろかわ なつこ)
東京都出身。幼少よりテーマパークに通い、エンタメの「創る側」に興味をもつ
アニメ放送事業に携わったことをきっかけに、放送作家に転身
「豊崎愛生のおかえりらじお」「TrySailのTRYangle harmony」「IDOLY PRIDE コンバンハから始まる物語」 他、アニメ・声優コンテンツの構成を手がける。

松原正泰(まつばら まさやす)
株式会社アニメイト
オーディオ・ビジュアル商品 バイヤー
オーディオ・ビジュアル商品に留まらず、アーティストを盛り上げる為ならグッズや書籍の展開も実施。
価値の創造。「モノ」から「コト」へ繋げる事で、アニメ業界を小売りの立場から盛り上げたい男。

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