作詞作曲は出来て当たり前に? JO1、INI、BE:FIRSTらに見る新興ボーイズグループの新常識

 さらに、グループ結成時のオーディション中からクリエイティブ力を発揮するパターンもある。JO1と同じ事務所に所属するINIが誕生した『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』もそうだ。ダンススキルに長けていた木村柾哉、田島将吾、西洸人などは課題曲のフォーメーションや振り付けを担当。田島、西、池﨑理人は、ポジションバトル時にKEN THE 390「Nobody Else」のトラックに合わせたラップ詞も自作している。「国民プロデューサーに伝えたいこと」をテーマにしたリリックは、トレーナーだったKEN THE 390からも「いいなと思った」、「おもしろい」と称賛されていた。さらに課題であったラップ詞の制作だけでなく、田島の「TVショーとしての舞台を作らないといけない」という言葉をきっかけにステージングも考え、オーディション中からしっかりとクリエイティブ力を見せていた。

 また、BE:FIRSTが誕生した『THE FIRST』はそもそもクリエイティブ力が審査対象になっていたオーディションだ。合宿審査第1ステージのクリエイティブ審査では、各チームが同じトラックを与えられ、作詞、作曲、振り付けを考案してパフォーマンス。その過程も審査対象となっていた。さらに、第3ステージのVSプロアーティスト審査はプロデューサーであるSKY-HIが作った楽曲「To The First」に対して自分たちで振り付けをし、歌割りを考えてパフォーマンスしていたし、最終審査のクリエイティブ審査NEOではグループ分けから自分たちで行ない、ほぼ一から作詞、作曲、振り付けを行なっていた。彼らの中には作詞、作曲経験があったメンバーもいたが、未経験のメンバーもゼロから作品を作り上げるという作業を楽しんでいた様子。この経験がデビュー後に活きないはずがない。

 今回はこの1、2年で結成されたグループの中から例を挙げてみたが、もちろん他にもクリエイティブ力を発揮しているグループは多い。今年結成10周年を迎えたDa-iCEも、メンバーの工藤大輝や花村想太が作詞、作曲を手掛けている。多くの楽曲を作り、他グループへ楽曲提供をしている関ジャニ∞・安田章大をはじめ、ジャニーズグループでも作詞や作曲を手掛けるメンバーが多々存在する。これまでであれば、プラスαの才能という扱いだったクリエイティブ力。それが当たり前になっている今は、日本のボーイズグループシーンが大きく変わる真っ最中なのかもしれない。

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