HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍の『サマパラ』『サマステ』映像に注目 パフォーマンス力の成長

美 少年(サマステ★ライブ THE FUTURE)

 美 少年は、11日に「虹の中で」をアップした。彼らのステージを見るたび「アイドルとは、人を幸せにする存在なのだ」と改めて感じる。「求められるアイドル像」をここまで徹底して貫くのは、そう簡単なことではない。美 少年のパフォーマンスからは、高いプロ意識とファンファーストの精神を感じる。誰がセンターに立とうともグループ全体が輝くーーこれもまた簡単なことではないが、彼らはもう、その域に達しようとしている。

 ダンスにもますますキレが出てきた。美 少年の場合、どうしても「アイドル性」に注目してしまいがちなのだが(それだけ目を奪う、没入させるステージを見せているとも言える)、ここ数年におけるパフォーマンス力の向上は目を見張るものがある。個々のスキル向上は言うまでもないが、彼らも自信をつけたのではないだろうか。堂々としたパフォーマンスには、良い意味での余裕も生まれてきているように思う。

 会場のファンを楽しませながらも、ここぞというシーンではカメラに目線をバチっと決めて見せる。なにより、美 少年という他に類を見ない王道アイドルを、彼ら自身が楽しんでいる表情が嬉しい。

美 少年 「虹の中で」サマステ★ライブ THE FUTURE

7 MEN 侍(サマステ★ライブ THE FUTURE)

 10日に公開されたのは、7 MEN 侍「サムダマ」。重厚な存在感を放つ6弦ベースは、しっかりと歌うことで楽曲に奥行きとストーリー性を生み、終始正確にリズムを刻むドラムは、バンドの「縦」を揃えてプレイヤーに安心感と自由をもたらす。原曲よりもロックテイストを増したアレンジに加え、「ステージ」という高揚感こそ爆発力の源。個々のスキルアップはもちろん、バンドとしての成長を感じたパフォーマンスだった。

 コーラスワークも良い。中村嶺亜の甘い声に、あえて太めのコーラスを重ねることで双方が活きる。中村が持つ華と、バンドとしての厚み、楽曲のテイスト、全てのバランスがとれている。とはいえ「サムダマ」に完成形はあらず、なのかもしれない。どこまでも進化させることができる、それこそがバンドの醍醐味といえよう。

 印象的だったのは今野大輝。クールにギターを奏でる今野だが、後半には音に陶酔しているかのような表情を見せた。今野は、たとえば矢花黎のように熱を表に出すプレイスタイルではないが、バンドが鳴らす音、一期一会の空間を噛みしめて深く味わう、静かな情熱を感じた。

7 MEN 侍 「サムダマ」サマステ★ライブ THE FUTURE

 今夏のステージ映像を観るたび「来年こそ」という想いは募るだろう。とくにジャニーズJr.にとっての1年は、彼らにとってもファンにとっても貴重で、重みのあるものだ。しかし、配信ライブ中心だった2020年、制限はあれど、有観客でのライブ開催が可能となった2021年。エンタテインメントは、多くの人々が力を合わせて同じ方向を向くことで、確かに前進している。「来年こそ会いたい」、その想いを胸に、いつの日か満員の客席から大きな歓声を届けられる日を楽しみに待ちたいと思う。

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