稲垣吾郎とロマンあふれる脳内旅行へ グループ時代の思い出話も飛び出した旅トークに触れて

稲垣吾郎
稲垣吾郎

 そういえば、海外旅行の話をすることそのものが久しぶりだな……と、気付かされる。稲垣吾郎が登場した雑誌『JUNON』(2021年10月号)のこと。長引く自粛生活により、私たちはずいぶんと旅から遠い日々を過ごしている。だが、同誌にて稲垣が語った旅トークを読み進めるうちに、心だけでも思いのままに行き来できる感覚を味わえるから不思議だ。なかなか旅に出ることのできない今、稲垣の語りと共に旅行気分に浸ってみてはいかがだろうか。

 『いつかは、一緒に旅へ。』と題し、まず語られたのはフライト中の様子だ。どうやら飛行機は得意ではないようで、「5時間以上眠れたことはないかな」「映画を見たり、機内食を食べたり、ちょっとお酒を飲んだり」……この嗜む程度にお酒を手にするところは、多くの人が想像する姿そのものと言える。

 そして、稲垣は窓の外をそっと眺めるのだ。「上空1万メートルともなると、窓の外を見ても、宇宙を感じるというか、このまま宇宙とつながっているんだなっていう不思議な感覚がありますよね」ーーそっと目を閉じれば小さな窓からのぞく、青空と雲のじゅうたん。そして隣から「ちょっと大げさですけど(笑)」と笑う稲垣の声が、そのまま聞こえてきそうだ。

 空港に到着すると、待っているのは年々厳しさを増していく入国手続き。稲垣は、過去に2回ほど別室に連れて行かれたことがあると明かす。そして結局、その理由はわからなかったとも。「仕方ないことだけど、そういう空港でのストレスというのはちょっと苦手かな」。生放送のレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA、※以下『ななにー』)でもすっかりおなじみになった“いらち(せっかちで気が短い)”な部分が垣間見える。稲垣と共に旅をするとなったら、その部分のケアも忘れないようにしたいところだ。

 さて、この想像の中の空港のドアを出ると、その先はどこにつながっているのか。昔からずっと生きたいと思っているトルコのイスタンブール? まだ足を踏み入れたことのない中近東? アフリカ? 中央アジア? インド? それとも稲垣にとって「ユートピア」「楽園」のイメージだというバリ島か? はたまた「初めての海外」を経験したハワイか?

 稲垣の話を読み進めていくと、「いつか」や「また」訪れたいと思える場所が多くあるのは、実に幸せなことだとわかる。「いつか」と思っているところは、まだ実際には行くことができていないとしても、様々なことをきっかけにすでに素敵なイメージを抱いているということ。「また」と思っているところは、実際に訪れて美しい思い出があるということなのだから。

 特に音楽、映画、アート、本、食などを愛する稲垣にとって、日常的に素敵なイメージを抱くきっかけにあふれているようだ。例えば、インド。「インドはジュエリーの仕事をしている僕の友だちがよく行って、おすすめされてたんで、ずっと行きたいなと思ってるんです」「『インド夜想曲』っていう昔のフランス映画を観たり、妹尾河童さんが書かれたインドの旅行記を読んでからすごく気になってたので」。

 稲垣がインドに惹かれた理由を聞くにつれて、彼が手に取ったであろう映画や本にも興味が湧いてくる。一体、インドにはどんな魅力があるのか。まだ見ぬ土地について知ろうとするだけではなく、自分の好きな人や尊敬する人が体験した好きやワクワクを共感したいという気持ちが、私たちを旅に向かわせるのだろう。

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