SixTONES、YouTube限定パフォーマンス企画で見せた多面的なパフォーマンス力 「マスカラ」「フィギュア」から考察
8月9日から3回に渡って公開されているSixTONESによるYouTube限定パフォーマンス企画「PLAYLIST –SixTONES YouTube Limited Performance-」。8月9日の Day.1では、8月11日リリースの5thシングル曲「マスカラ」を、11日のDay.2ではカップリング曲「フィギュア」を配信した。
YouTube公開前、8月7日放送の『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)の終盤に、田中樹からYouTube配信に加えて、公式サイトにてフェス入場パス風の「wriSTband」データの無料配布が発表され、SixTONESのフェスに参戦するような気分に。そして迎えた8月9日22時。カウントダウンを経て、画面の「ST」の文字から「PLAYLIST」へと展開する演出に心が躍った。
月夜を思わせる大きな光に照らされたSixTONES。足元には一面に広がるピンク。作品を印象づけるエアギターを披露すると、辺りもピンクから、紫、ブルー、濃紺……グラデーションカラーに白とピンクが混ざってマーブル模様を描く。
〈ありきたりなキスをして〉ーー歌い出しはジェシー。甘く哀愁を帯びた声色で、歌詞の“キス”にウインクを合わせた。続いて、声を少し強くして後悔を滲ませたような印象を残した松村北斗。淡く、くすんだ色味のバラや紫陽花を背に、髙地優吾、森本慎太郎が1フレーズずつ。ユニゾンへと進むにつれて、主人公の心の葛藤のような感情が伝わってくる。気高い印象のバラが一面に広がるも、〈酸いも甘いも〉で降りかかるピンクとブルー。京本大我が全ての感情をひっくるめるように歌い上げ、サビへとつなげる。〈貴女の〉のわずか一言にも愛おしさを込めるようにして。
サビから「MASCARA」のロゴが無数に走り、〈マスカラ剥がれたまま〉に合わせて「MASCARA」の文字が落ちる。それは時折メンバーの衣装にも投影された。続くソロパートで京本にフォーカス、田中の渇望するような歌声へと続く。
「マスカラ」の発表以降、常田大希(King Gnu/millennium parade/PERIMETRON)が楽曲提供したことも大きく話題になったほか、楽曲、歌唱の難易度を説く記事も多数散見され、双方のファンはもちろん、音楽雑誌などのメディアからも注目されてきた。楽曲の世界観や感情表現を、歌声や体の動きだけではなく、次々と位置を変えるフォーメーション、そして照明、グラフィック、衣装と技巧を凝らして表現した今回の「マスカラ」のステージ。
ライティングによって濃淡がついた衣装、ピンクの光が放つ色気はもちろん、時折、顔を照らす白い光にわずかな希望も感じ、〈終わりがあるのなら 始まらなきゃ良かったなんて〉と、複雑な胸の内が、あらゆるところから感じられたのが印象的だ。派手なセットであり、顔をはっきりと照らすライティングではないものの、それらに負けることなく存在感を放ち、世界観を表現した。