荻原梓のチャート一刀両断!
Snow Man、大差をつけてシングルチャート制覇 真夏にぴったりな刺激で五感を揺さぶる“甘さとスパイス”
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2021-07-26/
最新のオリコンシングルチャートによれば、Snow Manの『HELLO HELLO』が805,691枚を売り上げて1位を記録。続いて、≠MEの『君はこの夏、恋をする』が47,165枚で2位、『あんさんぶるスターズ!! ESアイドルソング season2 指先のアリアドネ』が43,374枚で3位となり、1位のSnow Manが2位以下に桁違いの差を付けて圧勝した週となった。ちなみに、この週はSnow Manの『Grandeur』も8,381枚で7位にランクイン。新譜効果で過去作も動いている。
『HELLO HELLO』はSnow Manの通算4枚目のシングル。表題曲は映画『ハニーレモンソーダ』の主題歌とあって、歌詞には〈甘酸っぱいね〉や〈少し溶けた ほろ苦さも〉といった“レモン”にまつわるフレーズが散見される。ジャケットなどの装丁もレモンを彷彿とさせる黄色やオレンジで統一され、真夏のリリースに相応しい爽やかさがある。サビ冒頭の〈Hello Hello Ha Ha Ha Hello Love〉のキャッチーさは言うまでもなく、サウンド面においては、電子処理の施された力強いビートのダンストラックの上で、全編に渡って繰り広げられる豪華なストリングスの音色に“甘さ”があり、時折登場する激しいギターは“刺激的”。真夏の高揚感や恋のほろ苦さを爽快感たっぷりのサウンドで表現した“柑橘系”ポップスだ。
一方で、カップリング曲の「縁 -YUÁN-」はアニメ映画『白蛇:縁起』日本語吹替版に書き下ろされた主題歌。歌詞に〈我愛你〉といった中国語を織り交ぜつつ、〈花散る季節〉〈灯火を焚べて〉〈星の降る夜〉といった視覚的なイメージを喚起させる情景的な言葉が所々で用いられているのが印象的だ。サウンドもトラディショナルな弦楽器の音色によって、古代中国の世界を彷彿とさせる幻想的で優雅な響きがある。伝統的なモチーフを現代のサウンドに落とし込んだ1曲だ。