小泉今日子の1985年 アーティストとしてのターニングポイントをプレイリストとともに振り返る

 そして、“1985年の小泉今日子”をもっとも強く象徴する楽曲はやはり、17thシングル曲「なんてったってアイドル」(作詞:秋元康/作曲:筒美京平/編曲:鷺巣詩郎)だろう。アイドルに対する世間に対するイメージを逆手に取り、リアルとファンタジーを融合させながら〈アイドルは やめられない〉というフレーズをポップに響かせるこの曲はまちがいなく、この年の小泉今日子にしか体現できなかった。アイドルとしいう存在をメタ的な視点で描き出したという意味でも、画期的な楽曲であることは間違いない。

 ポッドキャストで配信中の『ホントのコイズミさん』#5「言葉を知り新たな扉を開く、小さな一歩が大きな勇気に変わる。」で彼女は、アイドル時代を振り返り、「自分が思うカッコいい、かわいい女の子を提示してからやめようと思って。すぐショートカットにして、フリフリ衣装をやめて」「その一歩によって今の私がある」と語っていた。1985年は、そのクリエイティブなスタンスが発揮されはじめた年。彼女が提示した自立した女性像、ボーダレスな存在感、創造性を備えたアイドルの在り方は、2021年のアーティストにも大きな影響を与えているはずだ。

■「1985年の小泉今日子」プレイリスト

1985年の小泉今日子

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