日向坂46「君しか勝たん」MVなぜ好評? 切なさと幸福感を与える映像の魅力

 日向坂46の5thシングル曲「君しか勝たん」のMV再生回数が公開から1カ月で早くも540万回突破。そこで、5月30日放送の『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系/以下、『ひなあい』)ではMV解説企画が行われていた。

日向坂46『君しか勝たん』(通常盤)
日向坂46『君しか勝たん』(通常盤)

 番組ではMVの裏側を紹介。加藤史帆と小坂菜緒の滑らかな移動はセグウェイに乗っていたこと、メンバーが鏡に映る場面はCG合成ではなく、カメラに映らない画角にいるメンバーをスタッフの施しによって鏡に映り込むようにしていたことなどが明かされた。時間の都合上、番組の解説はここまでとなったが、本作はここからが見所満載だ。本稿では、映像の魅力をさらに掘り下げていきたい。

 本作を手がけたのは、「PONPONPON」をはじめとしたきゃりーぱみゅぱみゅ作品、SEKAI NO OWARIの「RPG」などを手がけた田向潤。カラフルな家財や小道具でセットを組みファンタジックな世界観を得意としている。

日向坂46 『君しか勝たん』

 「君しか勝たん」MVは、そんな田向潤の世界観と日向坂46の魅力がマッチした作品だ。全体的に万華鏡のような映像や振り付けになっているのが特徴的な本作。全メンバーがペアになって腕を動かし、カメラが回転して迫るところを次々と捌けていくオープニング、メンバー10人がいろんな形を作りだす円形台でのパフォーマンス、東村芽依や金村美玖らがフレームに飛び込むシーン、動く床や回転する部屋でのダンスなど……振付や場面の切り替えによって、スタジオで撮影されたとは思えないまさに田向潤ならではのファンタジックな空間が作られている。

 とはいえ撮影は過酷だったとのこと。特に円形台でのシーンは苦戦したようで、宮田愛萌はこの撮影であざができたという。しかし、どんなに難度が高い振り付けであっても、メンバーは妥協したりしない。『日向坂46の「ひ」』(文化放送)で、宮田愛萌は“制作側から何も言わなくても、メンバーの意思で3、4回はやり直した”と明かしていた。本作の美しいシーンの数々は、自らこだわりを強く持ち、より良い作品を作ろうとする気概によって生み出されていることが伺える。

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