乃木坂46 山崎怜奈が射止めた、センターと座長の大役 葛藤と決意を語った『アンダーライブ』への期待
しかし、山崎にはアンダーセンター、そして『アンダーライブ 2021』の座長を務める上での葛藤もあった。既報の通り、伊藤純奈と渡辺みり愛が27thシングルの活動をもって乃木坂46を卒業。『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)に出演した伊藤と渡辺は卒業時期を8月末、今回の『アンダーライブ 2021』が最後のライブになることを明かしている。そこで山崎が抱いたのは伊藤にも座長を務めてほしかったという思いだ。
山崎の24歳の誕生日当日に配信された『のぎおび』(SHOWROOM)は涙ながらにその思いが溢れた時間だった。伊藤が輝いている姿が見たい、思い出を作って乃木坂46を旅立ってほしい。同期への愛情を抱えながら、それでも山崎を座長に決断させたのは、信頼するスタッフからアンダーセンターを任された責任感。その先には多くのファンが心待ちにしているであろう、アイドルにとって、乃木坂46にとっての一つの栄光として輝く「選抜」の2文字も見えてくる。
『オールナイトニッポン』と『のぎおび』の中で共通の話題に出てきたのは、2017年4月に東京体育館で3日間にかけて4公演が開催された『アンダーライブ』だった。座長は「風船は生きている」でセンターに立った渡辺。12人を4公演で3人ずつフィーチャーしていく「ファンタスティック3」の企画が好評を博した、語り草となっているライブである。メンバーの話を聞いていると今回の『アンダーライブ 2021』はそんな伝説のライブを彷彿とさせるような、個々がフィーチャーされる演出になる予感がする。いまだ公開はされてはいないが「錆びたコンパス」のMVもそれぞれのメンバーの良さが映し出されているという。山崎を座長に、伊藤、渡辺の最後のステージでもある『アンダーライブ 2021』は「13人が主役」の、これからに続いていくライブになるのではないだろうか。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter