Official髭男dism、アニメ『東京リベンジャーズ』OP主題歌での意外かつ抜群の相性 「Cry Baby」に施された数々の仕掛け

ヒゲダン「Cry Baby」に施された仕掛け

 4月10日より放送が開始されたアニメ『東京リベンジャーズ』(MBS・テレビ東京・BS朝日・AT-Xほか)。原作漫画『東京卍リベンジャーズ』は累計1000万部を突破し、7月には実写映画の公開も予定されている話題作だ。

 物語の主人公はフリーターの花垣武道(タケミチ)。ある日タケミチは、中学時代の元恋人・橘日向(ヒナタ)が犯罪組織・東京卍會の抗争に巻き込まれて死んだことを知る。その直後、自身も駅のホームで突き飛ばされて死を覚悟するが、気づくと12年前にタイムリープしていた。タケミチはタイムリープの力を駆使し、ヒナタの死を阻止する決意をする。

 そして、そんなアニメのオープニング主題歌であり、早くも話題を集めているのがOfficial髭男dismの「Cry Baby」だ。ミュージックビデオは5月7日に公開されるやいなや、あっという間に100万再生を突破した。

Official髭男dism - Cry Baby[Official Video]

 なんと言っても転調の多さがこの曲の特徴だろう。Vo&Keyの藤原聡が原作者の和久井健との対談で「鬼のように転調してやろう!」と述べている通り、通して聴くとなんと10回近くの転調が含まれている。さらに「武道が12年前と今を行き来するように、自分の曲の中で音を移動していったら面白いんじゃないかって」と語るように、転調をタイムリープに重ねるような仕掛けになっているのだ(※1)。

 また、曲の雰囲気がパートによって変わっていくのも特徴だ。戦いにおもむく行進曲のようないかめしいイントロから始まり、Aメロは残酷な未来を背負ったような不穏な雰囲気が漂う。サビでは一転して雨上がりのような晴れやかさがあり、タケミチが壁を一つ乗り越えたような趣がある。そしてそれが1番、2番と繰り返されることで、また新たな壁に直面するタケミチのループする戦いを感じさせる。通して聴けば、曲自体が起承転結を持った一つの物語のようだ。

 そんなトリッキーなつくりでありながら、聴き終えた後にはやはりメロディの美しさの印象が残るのは、さすが「Pretender」で各方面の音楽のプロから絶賛を受けたOfficial髭男dismの手腕と言えよう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる