藤原さくら、ファンと分かち合ったライブの存在の大きさ 『SUPERMARKET』中野サンプラザ公演レポ
鳴り止まないアンコールに応えて再びバンドメンバーと登場した藤原は、本公演に向けて制作していた明るいポップソング「Kirakira」を披露。音源ではAPOGEEの永野亮による緻密なアレンジが印象的だったが、ライブでは中西の奏でるシンセベースの音圧と、斎藤による歪みまくったギターがぐいぐいと引っ張り、藤原の軽やかなボーカルとの鮮やかなコントラストを作り上げ会場を大いに盛り上げた。
MCでは、「きっとみんな悲しい過去とか、苦しい思い出とかあると思うんです。今はコロナで外に出られなかったり、足踏みして前に進めない状況だったり。でも、そんな状況も捉え方次第でどうとでもなるなって。そういうことを歌にして、みんなに元気になってもらいたいし、私も元気になりたくて作りました」と、新曲の生まれた経緯を明かしてくれた。
さらに、今回のライブメンバーと共にレコーディングした「Twilight」を演奏し、ハッピーなムードの中、この日の公演は幕を閉じた。
コロナ禍で自身の内面と向き合いながら、様々なプロデューサーと作り上げた『SUPERMARKET』は、藤原にとってこれまでになくパーソナルなアルバムだった。その曲たちを、こうしてファンの前で披露し分かち合うことで、ようやく本作は一つの「完結」を迎えることができたとも言えるだろう。「悲しい過去も、苦しい思い出も、コロナ禍で前に進めない状況さえも、捉え方次第でどうとでもなる」。歌詞の中で、そう高らかに宣言する新曲「Kirakira」を作り上げた藤原が、ここから先どこへ向かっていくのか。今からすでに楽しみでならない。
『Sakura Fujiwara Live 2021 SUPERMARKET』セットリストプレイリスト
藤原さくら オフィシャルサイト