BABYMETAL、日本武道館で迎えた“METAL RESISTANCE”の終幕 独自のカルチャー形成した10年間の集大成

 BABYMETALの『10 BABYMETAL BUDOKAN』の最終公演が4月15日、日本武道館で行われた。

 2021年1月19日にスタートした『10 BABYMETAL BUDOUKAN』。BABYMETALの日本武道館ワンマンライブは、女性アーティスト史上最年少記録を樹立した2014年の3月以来、約7年ぶり。国内の有観客ライブは、2020年1月の幕張メッセ2DAYSのライブ以来だ。1月7日に発出された緊急事態宣言及び東京都の緊急事態措置に応じ、各公演は20時までに終了。来場者全員にフェイスマスク(Savior Mask)を配布、ソーシャルディスタンスを確保した収容人数に制限するなど、万全な対策のもとで開催された。

 国内外の大型フェスに次々と出演を果たし、アメリカ、ヨーロッパでのツアー、東京ドーム、ウェンブリー・アリーナでのワンマンライブなどを成功させてきた彼女たちだが、コロナ禍における日本武道館10daysは特別な意味を持っていたはず。期待と不満が渦巻くなかの公演だったが、メンバーは10年間に及んだ“METAL RESISTANCE”のラストを“キャリア史上最高峰”と称すべきパフォーマンスで締めくくってみせた。

 会場に入ると、武道館の形状を活かした八角形/360度のステージが目に飛び込んできた。アリーナに客席はなく、巨大なステージが鎮座。1階席、2階席もソーシャルディスタンスが取られ、感染対策は万全だ。“Savior Mask”を付けたオーディエンスからは、BABYMETAL史上初の“武道館10days”のファイナルに対する期待が伝わってきた。

(Photo by Taku Fujii)

 18時30分ちょうどには暗転。まずはオープニングの映像で、このライブの趣旨ーーコロナ禍によるディストピアからの再生、“メタルの魂”の復活ーーが提示され、「BABYMETAL DEATH」からライブはスタートした。レーザーとスモークによる赤い雲海のようなステージに登場したのは、魔法陣の紋章に磔にされたBABYMETAL。ステージ周辺に巨大な炎が吹き上がり、会場には凄まじい過去のオーディエンスの声を集めた声援が響き渡る。

 熱気と興奮が渦巻く空間に放たれたのは、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。昨年の『NHK紅白歌合戦』でもパフォーマンスされた代表曲だ。超速弾きのギターソロとともにMOAMETALとアベンジャーズが戦い、SU-METALが美しくも激しいボーカルを響かせる。

 さらに全方位型のステージを活かしたフォーメーションとともに披露された「ギミチョコ!!」、“Kawaiiとメタルの融合”というBABYMETALのコンセプトを体現したデビュー曲「ド・キ・ド・キ☆モーニング」へ。10年前の曲をアップデートさせ、2021年のヘビィメタルに導く神バンドの演奏も最高。SU-METALが呼びかけると、ステージを囲む観客は両腕を突き上げて応えた。

(Photo by Taichi Nishimaki)

 中盤では、SU-METAL、MOAMETALの才能と魅力をダイレクトに体感できるコーナーも。まずはMOAMETALがキッズダンサー4人を従えて披露した「GJ!」。三三七拍子のハンドクラップが高らかに鳴らされ、会場全体の高揚感がさらにアップ。「もっともっと!」「全然足りない!」と東西南北の観客を煽りまくり、心地よい一体感につなげるMOAMETALのステージングも心に残った。

(Photo by Taku Fujii)

 続く「NO RAIN, NO RAINBOW」は、SU-METALが一人で歌唱。レーザーとスモークによる幻想的な空間のなかで、クラシカルかつエモーショナルな旋律を描き出してみせる。ピアノの前に座り、まるで弾き語りように歌い上げる演出を含め、震えるような感動を生み出した。

(Photo by Taichi Nishimaki)

 深紅のライトと炎で彩られた「Distortion (feat. Alissa White-Gluz) 」、祭囃子のようなビートを浴びながら、観客がタオルを回しまくった「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」で武道館の熱気は最高潮に。「さくらさくら」の旋律を取り入れた「メギツネ」では日本的な妖しい情緒を描き出し、SU-METALが“ウェーブ・ヘドバン”を要求。声が出せない、ソーシャルディスタンスを状況のなかにおいてもBABYMETALは、オーディエンスを巻き込む圧巻のパフォーマンスを繰り広げたみせた。

 続く「KARATE」では、ゴールドに輝くステージの上でメンバーが正拳突きを取り入れたダンスを披露。SU-METALは「Everbody, Jump!」と笑顔で呼びかけ、さらなる興奮を呼び起こす。そして本編ラストは「ヘドバンギャー!!」。強靭にしてヘビィなビート、爆発的かつ緻密なギタープレイとともに濃密なエモーショナルを含んだボーカルが響き、圧倒的なカタルシスに結びつく。“土下座ヘドバン”で盛り上がる観客からも、このライブを目撃できたことの興奮がはっきりと伝わってきた。

(Photo by Taichi Nishimaki)