NiziU、2ndシングルが大差でチャート首位に 楽曲・ダンス・MV......総合的な完成度の高さ

 もう1曲のタイトルチューン「Poppin' Shakin'」は、フューチャーハウスをも連想させるトラックですが、一方でメンバーのボーカルの高音が大きなアクセントになっており、「Take a picture」以上にメンバーの肉声に重心が置かれている楽曲だと感じました。

NiziU(니쥬) 2nd Single 『Poppin’ Shakin’』 MV

 「I AM」は、バングラ風味によって「Take a picture」や「Poppin' Shakin'」とは大きく雰囲気が異なりますが、サビになると爽快感がもたらされる点は、やはりNiziUらしいと感じます。ラップの比率だけではなく、ビートの面でも、今回のシングルでもっともヒップホップ寄りの楽曲です。

 さて、2020年には、日本のアイドルがK-POPを意識したスタイルになる事例を散見しました。そのリファレンスは、ときにBLACKPINKであり、ときにMAMAMOOでありました。しかし、そうしたアイドルたちは、日本人がK-POPのフォーマットで育成されたNiziUにかなうわけがありません。楽曲、ダンス、MV、アートワークなどの総合的な強度という点で、NiziUと同じ土俵で戦うのはかなり難しいとも感じるのです。そんなことを考えてしまうほどの完成度を誇るシングルが、NiziUの『Take a picture/Poppin' Shakin'』でした。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter(@munekata)

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