超特急、オンラインライブを通したライブへの向き合い方 『Superstar』を振り返って

超特急『Superstar』を振り返って

 超特急史上最大スケールとなったオンラインライブ『BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE 『Superstar』』が、3月24日、いよいよBlu-rayで発売される。結成10周年という大きな節目を迎え、いつも応援してくれる8号車(ファン)への感謝と、さらにここからというチャレンジの姿勢を余すことなく盛り込んだ3日間のライブ。達成感や今後の展望だけでなく、5人それぞれが今回もしっかりとプロデュースワークを手掛けたからこその切り口で語られる本作の見どころなど、興味深い話を伺うことができた。(山田邦子)

自分たちでも驚けるような演出が、いろんなところに散りばめられている

ーー昨年12月に行われた配信ライブ『BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE『Superstar』』のBlu-rayがいよいよ3月24日に発売されます。スペシャルなアイテムのリリースということで、待ち遠しいのは8号車だけじゃないのでは?

リョウガ:たしかに。僕らも楽しみです。

カイ:Blu-rayとCDで5枚ですからね。すごく贅沢な仕様になっていると思うので「今日はこれを見よう!」みたいな感じで選んでもいいし、友達と集まった時なんかはその時の気分でどの日のライブにするかを決めるのも盛り上がりそうですよね。

リョウガ:メイキングもありますし、僕がプロデュースさせていただいた開演までのミニ番組のような映像も収録されているので。

カイ:僕らも楽しみだけど、本当に早く皆さんにも手に取っていただきたいなと思います。

リョウガ:それこそ6月には『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING“Hoopla!”』という、お客さんを入れてのライブも決定しているから、その予習も兼ねておうちで楽しんでもらいたいです。コールとかも、僕たちと一緒にライブで楽しめなかった分のリハーサルと言いますか、練習しながら気持ちを高めてもらえたら嬉しいですね。

ーーではまずあの3日間の配信ライブ、やり終えた瞬間はどんな気持ちが残りました?

タクヤ:単純に3日間内容が違っていたし、あれだけ大きな会場で、あれだけの規模のライブをやらせてもらって。2020年自体ライブが少なかったこともありましたから、久しぶりな感覚が残りましたよね。達成感、すごく感じました。

ユーキ:終わった瞬間、シンプルに「あぁ、今年も終わったんだな」というくらいであまり実感は湧いていなかったんですが、家に帰ってドアを閉めた瞬間に「終わったんだ!」っていう達成感が込み上げてきました。準備から含めると長かったけど、やってみるとあっという間で、だけど無事に終えたなっていう気持ちもすごく感じましたね。

ーー逆に、始まる前は緊張もありました?

タカシ:僕はどちらかというと、直接8号車の皆さんを前にしてやるライブよりも、ああいうオンラインライブの方が緊張感が強くなるんですよね。みんなの顔が見えると、それだけでもう緊張が緩和するんです。でも今回やってみて、その緊張感が悪い方に働くことは一切なくて。今まで以上にリハーサルと同時に毎日ボイストレーニングをしたりして、事前にやれることは全部やれたからこそ、緊張感もいい刺激になっていたような気がしました。だから終わった時も、マラソンランナーの方がゴールのテープを切るような感覚がありましたよね。

ーーこれまでの連続ライブでいうと、最長は何日くらいですか?

カイ:5日間くらいじゃない?

リョウガ:そうだね。2017年の『超フェス』は日替わりでいろんなアーティストの方と対バンさせていただいて。どちらも内容的にはすごく濃いものだけど、やっぱりワンマンだし、規模としても今回の方がいい意味で高カロリーだったかなと(笑)。

ーーカメラワークやカット割りで、ストーリーを繋いだり切り替えたり。配信ならではの手法もうまく取り入れてありましたが、実際に自分たちでご覧になっていかがでした?

カイ:例えば初日の登場シーンですけど、「おぉ〜!」ってなりました。映像からリアルに切り替わるという話はもちろん聞いていましたし、そのイメージでやっていたんですが、実際に見るとすごいなと。そういう自分たちでも驚けるような演出が、3日間いろんなところに散りばめられますね。あとこれは超特急のライブでは毎回言えることだと思うんですけど、とにかくずっと動いてる(笑)。フォーメーションが目まぐるしくて動き回っている僕らを、今回もしっかり押さえてもらっているなという感じでした。

ーーこれからご覧になる方のためにも詳細は伏せますが、リョウガさんが意外な役どころで登場する瞬間も、配信ならではの演出でしたね。

リョウガ:みんなの初夢とかに出てきちゃったんじゃないかなと、逆に心配なところではありましたけど(笑)。でもあれは、本当に多くの8号車の方々の記憶に残るシーンだったのではないかと思います(笑)。ぜひ、Blu-rayでもじっくり見てください。

ーーそれでは具体的な内容について掘り下げてみたいと思います。まず今回のライブの総合演出をされたのはユーキさんですが、イメージやアイデアの原点はどういうところからだったんですか?

ユーキ:やっぱり3日間あるので、それぞれ別々の演出をしたいというのが原点でしたね。それがトリガーであり、最初にぶち当たることになる壁でもあったというか。3日間どうやって違う色にしていくか、どういう意味合いを持たせるか、かなり考えて悩みましたね。

タクヤ:僕らはこれまでもいろんなスタイルのライブをやってきましたけど、単純に体力的にも頭としても、全部違うというのはやっぱり大変というか。もちろんトレーニングなどはしていましたけど、2020年はこれまでで一番、そういう意味での体や頭を動かさなかった年でもあったから、この規模で3日間別々というのは、一気にギアを入れるような感覚がありましたよね。最初は少しだけ不安もありましたけど、その後はしっかり自分たちのペースで走り出せたかなと思います。

ーー今回のライブのタイトルであり、大きなテーマでもあった「Superstar」というキーワードはどういう経緯で決まったんですか?

ユーキ:超特急にはもともと「Superstar」という曲があるということも伏線にしつつ、僕たちも10周年に向かっていく時期ということもあって、いよいよスーパースターに近づいていく、みんなに認められるようなグループになっていく。そして超特急の“超”、つまり“スーパー”。僕らの事務所であるスターダストの“スター”。そういう勢いというか思いを込めようというところからの発想だったと思います。

ーーそのテーマのもとで繰り広げたのが、初日の「テーマパーク」、2日目の「キズナ物語」、そして最終日「クール&セクシー」というコンセプトでのライブでした。

ユーキ:初日はすぐに決まったんですよ。12月25日は結成記念日でもありましたから、お祝いの形をどう表現しようかなと考えた時に、テーマパークだったらジャンルレスだし、アトラクションに見立てることでいろんな曲が披露できそうで面白そうだなと。2日目はそのテーマパークが閉園して、もっと僕たち自身のストーリーに目を向けてみようということで、結成からの成り立ちを曲で表現してみたいなという気持ちがありました。超特急というグループを知らなかった人にも昔からファンの人にも改めてグループの歴史を伝えつつ、人によっては、自分の人生を見つめ直したり振り返ったりするきっかけになればなっていう思いもあって。僕たちの喜びとか葛藤とかも曲で表現できたらと思ったし、最後は決意を新たにしてここからまた歩んでいくぞ、未来に向かっていくぞというものを表現しました。3日目はその未来に向かう超特急ということで、パフォーマンスに特化したセットリストに。僕たちも歳を重ねてきて、だんだんと大人びてきた姿をより鮮明に表現してみたいと思って、こういう形にしてみたんです。

ーー単純に、すごい曲数でしたよね。

リョウガ:例えば「What’s up!?」とか、ほんと数曲しかかぶっていないですしね。

カイ:だから僕は、逆によかったです。連日同じ曲をやるとしても、日によって曲順とか細かい見せ方とか違うじゃないですか。「あれ? これは何日目をやってるんだ?」って、リハで頭がこんがらがることが少なくなるから(笑)。違う曲をたくさんやるのも大変だけど、頭は切り替えられますからね。

タカシ:新曲がいっぱい入っている日もあったから、これは本当に初歩的なことですけど、歌詞を覚えるのは結構大変でした(笑)。振り付けもあるし。でもあの3日間のライブはすごく技量を試されているような気がして、自分自身にとっても挑戦的なものになったなと思いましたね。

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