声優 石田彰、渚カヲルなど重要キャラ担う魅力とは 表現の説得力や器用さに注目

 3月8日、ファン待望の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』がついに公開となった。1995年のTVシリーズから25年以上の時を経てついに完結を迎えた今作には、そうそうたるキャスト陣が名を連ねている。渚カヲルを演じた石田彰もその一人だ。そして石田は、昨年2020年に、日本一の興行収入記録を打ち立てた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』でも猗窩座を演じている。歴史あるアニメーション大作から最新の話題作まで、第一線で活躍し続けている石田彰の魅力に迫りたい。

 『NARUTO -ナルト-』(テレビ東京系)の我愛羅、『最遊記』シリーズの猪八戒、『夏目友人帳』(テレビ東京系)の名取周一などを演じてきた石田。理知的で繊細な声色を持つ石田は、インテリで物腰柔らかな役を演じることが多いが、『血界戦線』(MBS・TOKYO MXほか)では堕落王フェムトで愉快犯的な演技を、TVアニメ版『美少女戦士セーラームーン』(テレビ朝日系)のフィッシュ・アイでは女性声優顔負けのかわいらしい声を披露するなど、どんな役柄でも成立させてみせる器用さが石田の武器の一つだ。

鷺巣詩郎 『Shiro SAGISU Music from“EVANGELION 3.0″YOU CAN(NOT)REDO.』

 数多くの主要キャラクターを演じてきた石田だが、いわゆる「石田ボイス」の代表格と言えば、『エヴァンゲリオン』シリーズで演じた渚カヲルだろう。TVシリーズの終盤にたった1話登場しただけで多くの視聴者の心を奪った美少年を、透明感のあるミステリアスな演技でドンピシャに作り上げ、以降、シリーズ展開されていく25年の時の中で、渚カヲル=石田彰を揺るぎないものにしていった。

 そんな繊細で物静かなイメージの強い石田のキャリアの中で、『鬼滅の刃』で演じた猗窩座のような、武闘派で常に全力のキャラクターは珍しい役柄かもしれない。煉獄杏寿郎と死闘を繰り広げた「上弦の参」の鬼である猗窩座。このバトルシーンの演技について、過去のインタビューで石田は、「熱量のぶつけ合いで“石田 彰”として負けてしまっていたら、猗窩座が画面上でいくら押していても、そうは見えなくなっちゃうから…。ちゃんと『猗窩座が押している』と見えるように頑張らなきゃいけない」と語っている(※1)。

 劇場版では、煉獄役の日野聡の迫真の演技に大きな注目が集まったが、猗窩座役の石田と煉獄役の日野、どちらもが高い熱量を持ってぶつかりあったことで、胸を熱くする名バトルが生まれたのだろう。猗窩座はTVシリーズでは登場しておらず、その演技は劇場版で初めてお披露目となったが、「これぞ猗窩座!」と思わせる見事な説得力だった。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中PV