4s4ki、アンビバレントさに包まれた優しさ ポップスターへの予感抱いた初ワンマン
ライブ後半、「クロニクル」や「超怒猫仔」からフィニッシュまでの怒涛の畳みかけは圧巻で、アンコールではオーバーサイズのパーカーに衣装を変え、「生き返ってきました」とつぶやき再登場。このあたりの控えめなMCにも、4s4kiのシャイで優しげな一面が垣間見える。「SUCK MY LIFE 2」に続いて披露した「超破滅的思考」では最前列の観客とタッチするハートフルな場面もあり、そのまま未発表の新曲「gemstone」、最後に「Gender」を披露しライブは幕を閉じ、彼女は足早に去っていった。最後には「本当にみんなイケてる、愛してる」という台詞と、キュートな投げキッスを残して。
この日、メジャーデビューと三カ月連続の新曲、さらには夏に向けてフルアルバムリリースのアナウンスもあり、それら新曲ではZheaniやPuppet、smrtdeathら海外勢とのコラボが続くことも発表された。2021年のいま最も注目を集める音楽であるHyperpopシーンを切り拓く存在でありながら、それこそアンビバレントさそのものが音楽的特性と言っても良いHyperpopの海の中で、その複雑さを支えている彼女の優しさ、ポップなメロディに息づく体温は、いちジャンルの中におさまる器ではないことはすでに明白である。4s4kiはポップスターになるかもしれない――そんな予感を抱かせるライブだった。