風男塾、7人体制で迎える愛刃健水の卒業 「青春」とグループのこれからを語る

風男塾が迎える愛刃健水の卒業

 2021年3月17日、男装ユニットのパイオニアとして活躍する風男塾が、ニューアルバム『Funfare』をリリースする。同作は、柚希関汰・英城凛空・葉崎アランという新メンバー3人を迎え、7人体制となった風男塾が届ける初めてのアルバム。そして、今年加入10年目を迎え、3月24日をもってユニットを卒業する愛刃健水が参加する、最後の作品である。

 初めて7人で歌唱したリード曲「青春」は、青春を共にした仲間へのエールを込めた、前向きな卒業ソング。その他、はなわが書き下ろした初の愛刃健水ソロ曲「忘れ雪」、21stシングル『ツバメ』~26thシングル『会いたい、会いたい』の表題曲など、全10曲が収録されている。先輩達から引き継いだ熱い想いを胸に、長年ユニットを牽引してきた愛刃健水と、これからますます輝きを放つ次世代の風男塾メンバー達に、今作の魅力や今の心境をたっぷりと語ってもらった。(斉藤碧)【記事最後にオリジナル動画&プレゼント情報あり】

元気、マイペース……個性豊かな新メンバーが加入

――まずは、昨年12月と今年1月に加入した新メンバーのみなさん、自己紹介をお願いします。

柚希関汰:柚希関汰、黄色担当です。自分はメンバー内で一番背が小さいんですけど、実は結構トレーニングをするのが好きで、足の筋肉がすごい備わっていまして。自分では、鍛え上げられた下半身が強みだと思っています(一同笑)。 これからもブレないダンスをお届けできるように、鍛え続けていきます。

――関汰さんは、いじられキャラという情報も入っています。

柚希関汰:あははは。なぜか、どこに行ってもいじられるんですよね~。風男塾でもいじられキャラが定着するんじゃないかなと思います。

英城凛空:青色担当、英城凛空です。自分はグループで一番背が高いので、ステージ上でも結構目立つと思います。メンバーからは「犬っぽい」とか「元気だね」って言われるんですけど……俺、どんなキャラなんですかね?

偉舞喜雅:凛空はみんなを支えてくれる人だと思います。周りのことをすごくよく見てるし、自分もちゃんと持ってるし、いろんな意味で頼もしいですね。俺が1人でボソッと言ったことも拾ってくれて、横で笑ってくれます(笑)。

葉崎アラン:葉崎アラン、緑色担当です。出身は韓国のソウルで、韓国語と日本語と英語を話せます。グループの中では、凛空の次に身長が高いですね。あと、よく寝ます(にっこり)。

――アランさんはおっとりというか、マイペースな方のようですね?

葉崎アラン:マイペースではないと思うんですけど……?

愛刃健水:いや、マイペースでしょ!(一同笑)

葉崎アラン:だそうです(キョトンとした表情)。

神那橙摩:アランは独自の空気感を持ってますね。

愛刃健水:みんながふざけて盛り上がってる時に、すぐ隣でぼーっとしてたりしますからね。ここで!? っていう(笑)。それが面白いです。

偉舞喜雅:関汰も面白いキャラですけど、アランはそれとは違う方向で突き抜けてますね。でも、だからこそ興味があります。

――面白いキャラの雅さんから見ても、突き抜けた新メンバーなんですね(笑)。

紅竜真咲:愉快なメンバーが集まりました(笑)。

――では、そんな愉快なメンバーでリリースするニューアルバム『Funfare』について伺っていきます。『Funfare』というタイトルからして、まさに今の風男塾を象徴していますね。

偉舞喜雅:そうですね。風男塾の“Fu”と、楽しいの“Fun”をかけた造語が“Funfare”なので。

紅竜真咲:既存曲「チェンメン天国」の“チェンメン”(チェンジメンズ、男装の意味)や、前回のアルバムタイトル『風ァイト!!!!!!』など、風男塾はそういう言葉遊びが伝統なのかもしれません。

――アルバムリリースを目前に控える今、橙摩さんはどんな心境ですか?

神那橙摩:個人的には初めてのアルバムなので、素直にリリースできることが嬉しいです。でも、健水くんにとっては最後のアルバムですし、新メンバーの3人にとっては風男塾に入って初のリリースで。1人ひとり参加している曲数も違うし、みんなアルバムに対する思い入れが違うんですよ。それって珍しいことですよね?

紅竜真咲:珍しいと思う。それこそ、中には卒業したメンバーが歌っている曲もあって、総勢12人の声が入っていますからね。その時代ごとのユニゾンや楽曲を楽しめるのは、風男塾ならではだと思います。

――全曲に参加している健水さんは、思い入れも人一倍強いんでしょうね。

愛刃健水:1曲1曲、思い出が蘇りますね。基本的には元気を伝える曲が収録されているんですけど、その伝え方が全曲違う面白さもありますし、改めて、楽曲が増えるごとに新しい風男塾を作ってきたんだなって実感します。真咲と橙摩が言ったように、卒業したメンバーも含めて、いろんな想いが詰まった濃い1枚になりましたね。

風男塾は“第二の青春”

――健水さんの卒業ソングとなるリード曲「青春」に対する気持ちも、メンバーによって異なると思います。すでにライブでも披露されていますが、それぞれ、どんな想いを乗せて歌っていますか?

風男塾 (Fudanjuku) / 青春(Full Ver.)

柚希関汰:新メンバーは「青春」のレコーディング前に、一度集まって準備をする機会があって。そこでは自分なりに試行錯誤する部分もありつつ、こういう息の使い方をしたらカッコよくなるとか、これから風男塾として活動していく上で必要なことをたくさん学びました。歴史ある風男塾のメンバーになることはプレッシャーもありますけど、自分も風男塾の一員として個性やカッコよさを追究していきたいなと、レコーディングしながら思いましたね。

葉崎アラン:「青春」が初めてのレコーディングだったので、どういうふうに歌えばいいのかわからなくて、すごく緊張しましたね。しかも、僕はラップパートがあるんですけど、ラップをしたことがなくて。仮歌を聴いた時も、「あぁ、ラップパートがあるんだなぁ」って他人事のように思っていたんです(笑)。だから、試行錯誤しながらのレコーディングだったんですが、完成した曲を聴いたら良い感じだったので嬉しかったです。

英城凛空:俺は、ライブまでの期間、歌や振付を覚えるのに必死でしたね。

柚希関汰:振付もかなり難しいもんね。

英城凛空:そうなんですよ。涙をイメージしたサビの振付はキャッチーなんですけど、1つ1つの動きが細かくて。ダンスも新メンバー3人で自主練しました。でも、ライブでパフォーマンスするうちに、みんなが「風男塾は青春だ」って言ってる意味もわかってきたし、これまで風男塾が辿ってきた道のりを考えられるようになりましたね。ライブをやるまでは、「青春」以外にも覚えなきゃいけない曲がたくさんあって大変でしたけど、ステージに立って、ファンのみなさんが楽しんでいる姿を見て、この瞬間のために努力してきたんだなって実感しました。

――先輩達はいかがですか?

愛刃健水:「青春」を最初に聴いた時は、送り出される側っていう意識はそんなになくて。単純に風男塾らしいなっていう印象が強かったので、この曲の中にどれだけ風男塾への自分の想いを込められるかな? と考えながら、レコーディングさせていただきました。レコーディングの時はいつも、自分の歌を録った後にどういうふうにメンバーの声が乗るんだろうとか、最終的にどんなふうになるんだろう、と考えながら歌うんですけど、今回もやっぱり、風男塾の曲は1人では歌えないなって思いましたね。

 10年間、風男塾は青春だなって思いながら活動してきたし、最後にこのアルバムが完成して、やっぱり青春だったなって思えたので……本当にピッタリのラストソングをいただきました。何年も一緒にやってきた馴染みのあるメンバーの声もあれば、新しいメンバーの新鮮な声も入っていたりして。風男塾も俺も、ここからまた始まるんだなって感じますし、ライブで披露していても楽しいです。

紅竜真咲:このアルバムに収録されている中だと、「ツバメ」も卒業ソングで、この曲には俺も参加しているんですけど、去っていく人目線の歌なんです。でも、今回の「青春」は旅立つ人へのエールを送る曲なので、こういう卒業ソングも素敵だなって思いましたね。俺にとっても風男塾は第2の青春だし、とくに健水くんと過ごした時間は長いので、レコーディング中も、込み上げる気持ちを抑えながら歌っていました。

神那橙摩:俺も、健水くんと最後の曲なんだなぁ……っていう寂しさを感じながらレコーディングしていましたね。でも、大阪と名古屋で『風男塾LIVE 2021 ~Together.Forever…~』を開催して、「青春」をパフォーマンスしていく中で、この7人とファンのみなさんと最後まで笑っていたいなって思うようになりました。俺も先輩になったので、先輩達からもらった優しさや愛情を新メンバーに伝えつつ、自分なりに成長していけたらいいなと思っています。

偉舞喜雅:ライブで「青春」を披露していて思ったんですけど、これまでのライブと比べて、ちょっと余裕が出てきて。最近、ファンの方にも「お兄ちゃんっぽくなった」って言われるんですよ(照笑)。だから、これからは必死に歌うだけじゃなくて、雅と言えば、みたいな歌い方をもっと極めていきたいなと思っています。

――「青春」のMVでは、今まで末っ子的な存在だった雅さんと橙摩さんが、センターの健水さんを挟みつつ、前に出てパフォーマンスするフォーメーションがあったり、随所で大人っぽい表情をしていたりして。まさに“お兄ちゃん”でしたね。

愛刃健水:みんな、成長しましたよね。

神那橙摩:“大人橙摩”になれてました? 嬉しいです! これからも“大人橙摩”に期待してください。

柚希関汰:雅くんが落ちサビを歌ってるところもいいですよね。すごい好き。

偉舞喜雅:あそこはスッと演奏がなくなるので、今も緊張しますね。俺が歌い始めで、みんなにバトン渡していくシーンなので、スタートダッシュで転けないように頑張ってます。

――MVには、健水さんの卒業を祝うサプライズパーティーの模様も収録されていますね。

愛刃健水:あれね、本当に知らなかったんですよ。な~にやっとんねん! って思いました(笑)。卒業証書を渡されるシーンを撮り終わった後に、なぜか「もう1回同じシーンを録ります」って言われて。「えっ?」って思ってたら、サプライズが始まりました。ガーッと泣いてるシーンがあるんですけど、そこは本当にグッと来ちゃって。あの瞬間から、「卒業するんだな」って実感が沸いてきましたね。新メンバーにとっては初めてのMV撮影で、この撮影でみんなが仲良くなれたらいいなとも思っていたので、実際にパーティーシーンでみんなの距離が縮まっていくのを見て、よかったなと思いました。

――メンバー間では、ああいうサプライズはよくやるんですか?

偉舞喜雅:誕生日はたまにサプライズしますね。MVでも真咲くんが中心になってパーティーを企画してるんですけど、真咲くん、本当に上手いんですよ。

紅竜真咲:え? 嘘をつくのが?(一同笑)

偉舞喜雅:サプライズが! でも逆に言うと、自分がされる時はすぐに気づいちゃうので、俺が真咲くんにサプライズを仕掛けた時は、一切話さないようにしてました(笑)。

紅竜真咲:雅はすぐに目が泳ぐからね。今回も雅の顔で健水くんにバレるんじゃないかって、ヒヤヒヤしてました(笑)。

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